2022.06.29 最終更新
【例文付き】「大学中退」からの履歴書の書き方
中でも大学中退した人が履歴書を書くとき、自分の学歴をどのように書いたら良いか迷うものです。
さまざまな理由から大学を中退していると思いますが、その中退理由に合わせた履歴書の書き方があります。
例文と合わせて大学中退者の履歴書の書き方を確認し、しっかりとした履歴書を作成していきましょう。
・大学中退理由は”書いた方が良いケース”と”書かないほうがよいケース”がある
・同じ事実であっても伝え方ひとつで与える印象が変わる
・面接官の方が納得できるような理由をしっかりと準備しておくべき
そもそも履歴書に大学中退って書かないといけないの?
いざ履歴書の学歴を書こうとしたとき、「中途退学と書くとマイナスなイメージを与えてしまうし、できれば書きたくない・・・」と 考えることがあると思います。
しかし、大学をすでに中退しているのであれば、その事実はしっかりと履歴書に書きましょう。
「面接で不利になりたくないし、バレないだろうから卒業と書いてしまおう」なんて考えるかもしれません。
しかし、最悪のケース「学歴詐称」として罪に問われてしまいます。
履歴書に書いてあることがウソだと入社した後にバレてしまった場合、会社によっては虚偽の報告をしたとして処分され、場合によってはクビとなる可能性があります。
大学中退したことを履歴書に書くときは、しっかりと「中途退学」と書くようにしましょう。
大学を中退した理由も書かないといけないの?
大学を中退した理由については”書いた方が良いケース”と”書かないほうがよいケース”があります。
“理由を書いた方が良いケース”というのは、面接官が内容を聞いたときに「それが理由では大学中退でもしかたない」と思わせる内容で、例えば
・親が重い病気になってしまい、自身が介護をしなくてはいけなくなってしまった
・自身が重い病気やケガにかかってしまい、中退せざるを得なくなってしまった
・留学をするために大学を中退した
・一日も早く社会人として就職して働くため
といった前向きな理由です。
また、“理由を書かないほうがよいケース”というのは、面接官が内容を聞いたときに「それが理由では採用してしまったら不安が残る」と思われてしまう内容で、例えば、
・バイトが楽しくてバイトばかりしていて大学に行かなくなり退学となってしまった
・人間関係が合わず大学を中退してしまった
といった後ろ向きな理由です。
自分が面接官だったらどう思うかを考えてみましょう。
大学中退の理由が後ろ向きな学生を採用してしまった場合、会社が合わなかったらすぐ辞めるんじゃないか、やりたくない仕事はやらないんじゃないか、といった不安が出てくるのではないでしょうか。
大学中退した理由が前向きであれば履歴書に理由をしっかりと書きましょう。
後ろ向きな理由の場合には、無理に履歴書に書く必要はありません。
大学中退の基本的な書き方(学歴の書き方)
履歴書に大学中退していることを書くときは、学歴の欄に「学校名」+「学部名」+「学科名」+「中途退学」と書きます。
また、大学を中退した理由が”中退理由を書いた方が良いケース”の場合はカッコをつけ、続けて中退理由を書きます。
[中退理由を書く場合]
20〇○年4月 ○○大学 ××学部 △△学科 入学
20〇○年○月 ○○大学 ××学部 △△学科 中途退学(経済的事情のため)
バイトを優先した、学業がおろそかになった、のような後ろ向きな理由による大学中退の場合は無理には中退理由を書く必要はありません。
[中退理由を書かない場合]
20〇○年4月 ○○大学 ××学部 △△学科 入学
20〇○年○月 ○○大学 ××学部 △△学科 中途退学
大学を中退している場合、面接の場で必ずといっていいほど面接官から大学中退理由を質問されます。
面接官もあなたを落としたいと考えて質問しているのではなく、面接という30分~1時間と限られた短い時間 で、あなたと自分の会社が合うかどうかを見極め一緒に働きたいかどうかを決めたいという考えからきています。
履歴書に中途退学としっかりと書き、面接の場でも正直に回答することで就職した後に起こり得る「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを減らしていきましょう。
大学中退理由の例文
履歴書や面接の場では事実をしっかりと伝えるべきとお伝えしました。
そのうえで、ぜひ注意していただきたい点が「伝え方」です。
例えば、大学中退の理由が「家庭の経済的事情」というあなた自身ではどうすることもできない内容だったとしても伝え方ひとつで相手の受け取り方は変わってきます。
「うちは以前から貧乏で、私自身としてはもっと大学に通いたかったのですが両親のせいで続けることが難しくなり ・・・」
という表現と、
「うちは以前から貧乏で金銭的理由から大学中退を選択せざるを得ませんでしたが、家族のため一日も早く働くことで恩返しがしたいです。」
どちらが良い印象を与えると思いますか?
もちろん後者ですよね。
同じ事実であっても伝え方ひとつで相手に与える印象が大きく変わります。
「伝え方」の大切さを知ったうえで、様々な大学中退理由の例文と一緒に伝え方も学んでいきましょう。
①家庭の経済的事情による場合
近年のコロナの影響からも賃金が下がっているケースや、会社の倒産にともない職を失うケースなどが増えています。
家庭の経済的事情であれば、素直に「20〇○年○月 ○○大学 ××学部 △△学科 中途退学(経済的事情のため)」と履歴書にも書きましょう。
そして面接では経済的事情であることはしっかりと伝えましょう。そのときも、次のような前向きな伝え方をするようにしましょう。
「コロナの影響により父親の会社が倒産し、結果的にこのまま大学に通い続けることが難しくなったため、中退せざるを得なくなりました。
少しでも早く就職し、両親を安心させるとともに、一日でも早く一人前の社会人になるべくこれからも行動していきたいと考えています。」
②親の病気やケガにともなう介護の場合
親が病気や事故にあってしまうケースも中にはあります。
その場合には「20〇○年○月 ○○大学 ××学部 △△学科 中途退学(在学中に親が要介護となり退学)」と履歴書にも書きましょう。
面接でも家庭の事情であることをしっかりと伝えましょう。そして、次のような前向きな伝え方をするようにしましょう。
「親の病気により私が介護を行う必要があり、このまま大学に通い続けることが難しくなったため、中退の道を選択しました。
現在は親戚のサポートで就職活動に取り組んでも問題ない状況となりました。
社会に出て働くことでもあり、就職活動に取り組んでも問題がない状況となったため、社会に出て働くことで少しでも早く両親を安心させたいと思っています。 」
③自身が重い病気やケガにかかってしまった場合
あなた自身が病気や事故にあってしまうことで大学中退を選ぶしかなくなるケースもあり得ます。
その場合には「20〇○年○月 ○○大学 ××学部 △△学科 中途退学(健康上の理由により退学。現在は完治しており勤務に支障はなし)」と履歴書にも書きましょう。
面接の場では、次のようにすでに完治していて業務に問題がないこともしっかりと伝えていきましょう。
「〇〇という病気にかかり治療のため大学中退を選択いたしました。
現在ではお医者様から働いて問題ないと診断いただいたため、就職して一日でも早く活躍できることを目指しています。」
④留学をするために大学を中退した場合
語学を習得したい、海外の最新の〇〇を学びたいのような前向きな理由から大学を中退するケースもあります。
その場合には「20〇○年○月 ○○大学 ××学部 △△学科 中途退学(語学習得するため留学し、退学)」と履歴書に書きましょう。
留学の場合、前向きな理由であるケースが多いため、面接の場でも内容に困ることは少ないと思いますが、面接官の方に「遊んできたんだな」と思われないため、次のように留学の目的と結果をしっかりと伝えましょう。
「海外留学のために大学を中退しました。
初めて受験したときは400点だったTOEICのスコアも現在では800点まで上げることができました。また、海外留学で海外の方の価値観や考え方を学んだことは、御社の事業でも活かせる力だと思っております。」
⑤一日でも早く社会人として就職したい場合
大学生活がもったいない、社会人と働いた方が自分にとって有意義であると考えて大学卒業を待たず就職に踏み出す方もいらっしゃいます。
その場合には「20〇○年○月 ○○大学 ××学部 △△学科 中途退学(社会人として就業したいと考え退学)」と履歴書に書きましょう。
面接の場では、なぜ今のタイミングで就職をする必要があるのか、次のような面接官の方が納得するような内容を伝えましょう。
「大学2年生の夏休みに短期のアルバイトとして、〇〇の営業を経験しました。
様々なコミュニケーションの中からお客様に選んでいただける価値を提案し、成約に結び付けたことは私にとって忘れられない体験でした。
大学の進路を選ぶときも、いずれは人の役に立つ仕事がしたいと考えて大学を選んでいました。
大学卒業まで待ってからという選択肢もありますが、少しでも早く社会に出ることで実践を通して多くのことを学び、お客様に貢献したいと考えています。」
⑥ネガティブな理由による大学中退の場合
ネガティブな理由の代表例として、
・大学の授業に興味が持てず中退してしまった
・バイトが楽しくてバイトばかりしていて大学に行かなくなり退学となってしまった
・人間関係が合わず大学を中退してしまった
などがあります。
その場合には「20〇○年○月 ○○大学 ××学部 △△学科 中途退学」とだけ履歴書に書きましょう。
そのうえで面接の場で必ず聞かれる「面接官に伝えてもマイナスになりにくい大学中退の理由」を準備しておきましょう。
大学の授業に興味が持てなかった場合、アルバイトに夢中になってしまった場合それぞれの例文として、
「大学に入った時には学びたいことが漠然としたままでした。
大学中退となった今、親や友人の支えがあったおかげで将来についての方向性を考えるようになり、20代前半のうちにビジネスについて学び御社に貢献できるようになり、20代後半では後輩育成の場でも活躍できることを目指しています。」
「大学の在学中に飲食店でのアルバイトを始めたことがきっかけで、お客様に直接関わることができるアルバイト先での就職を考えていました。
しかし、コロナ禍の影響もあり、飲食店以外での営業、接客といった就職先を検討しており、御社の営業を志望いたしました。」
といったように回答することができます。
あなたがなぜその企業を志望しているのかを面接官の方が納得できるような理由を伝えることが採用率アップへのカギとなります。
まとめ
就職活動をするうえで必ず必要となるのが「履歴書」です。
大学を中退している事実は履歴書にしっかりと書かなくてはいけません。
不利になるからと、履歴書や職務経歴書にウソを書いてバレてしまった場合、「学歴詐称」として処罰されてしまいます。
履歴書には事実を書いたうえで、面接の場で面接官の方が納得できるような理由をしっかりと準備していきましょう。
大学中退がどんな理由であっても就職できるケースはあります。
大学中退という事実をどのように面接官に伝えるのかを準備し、面接に挑み、就職を勝ち取っていただきたいと思います。