2022.06.29 最終更新
高卒だけど起業すれば大逆転!!……って、そんなおいしい話本当にあるの?
なんて、甘い言葉に惑わされて、都合のいい夢なんて見たりしていませんか。
もちろん高卒で起業して成功した人もいますが、実際そんな簡単に成功できるものなのでしょうか。
今回は高卒で起業が実際に可能なのか踏まえつつ、立ちはだかる壁とそれを乗り越えられる人の特徴をご紹介していきます。
・130万人の社長データのうち、最終学歴が高校卒業は37.58%
・高卒で企業がうまくいく人はフットワークが軽く素直で、起業目的が明確
・起業について漠然と考えていると情報商材や起業セミナーに騙されることも
1.高卒で社長になった成功者
なんて、そんな疑問もわいてくると思います。
起業して社長になった人は大学を出ていて、頭がいい人のイメージを抱きがちです。
しかし、2016年の東京商工会リサーチの調査では
社長の最終学歴
1位:大学卒業 52.47%
2位:高校卒業 37.58%
3位:中学校卒業 6.74%
引用:「130万人の社長データ」調査
という結果になっています。
半分は大学卒業を占めていますが、高卒で社長になっている人も40%近く、決して少なくはないことがわかります。
この調査では社内で実績を残して社長になった場合や、先代から社長を受け継いだケースも含まれているため、一概に高卒で起業して社長になったケースがすべてとは限りません。
ただ、高卒で起業を志した際に学歴を気にする必要はないわけです。
実際に高卒で起業して有名企業の社長として上り詰めた人を調べてみると、
前澤友作
有限会社スタート・トゥデイ(現:株式会社ZOZO)を起業。
高校卒業後はバンド活動をしていて、メジャーデビューも果たしています。
バンド活動の傍ら、輸入レコードなどの販売がきっかけに。
その後、株式会社スタートトゥデイに会社名を変更。
当初は男性向けのセレクトショップサイトだったものがZOZOTOWNへとつながっていきます。
亀山敬司
高校卒業後は税理士を目指して上京するもうまくいかず。そんな時、お姉さんから喫茶店を手伝ってほしいと言われ帰郷します。
喫茶店や雀荘、バーや旅行代理店などの事業を続ける中、レンタルビデオ店が軌道に。
その後、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』からレンタルビデオ店の未来を予想し、店舗型ではない映像へと舵をきっていきます。
そしてインターネット黎明期の1998年、ネット配信事業「DMM」を開始しました。
鎌田和樹
Youtuberマネジメント会社、UUUMの創業者。
高校卒業後、大学に進学するも2年で中退。
光通信に入社後、業務の功績が認められイー・モバイル一次代理店会社の代表取締役となります。
社員表彰の場でYouTuberをゲストとして呼んだことがきっかけで、YouTuberに可能性を感じる。
UUUMの前身となるONSALEを起業し、当初はお願いされた商品をYouTuberが紹介する事業を行っていました。
現在では、YouTuberのタレントマネジメント事業を行っています。
2.高卒で起業は本当にうまくいくの?
高卒で起業してうまくいった人を例に、「君にもできる」と若くして起業を推奨する人も増えています。
しかし、だからといって就職から逃げる形で起業を目指すことは一概にオススメできません。
高卒で起業した人が直面しやすい起業の壁をご紹介します。
◆精神力の壁
◆勉強力の壁
◆資金力の壁
会社を立ち上げようとした際に、最初に立ちはだかる壁が資金の問題です。
現在日本では30万円程度で会社の登記をすることが可能です。個人事業主であれば、資本金なしで事業を始めることもできます。
登記をしてしまえば会社を設立したことになり、企業できたことになります。
とはいえ、事業を始めるとなるとオフィスや事務用品などを必要なものをそろえる必要があり次から次へと出費がかさみます。
銀行や政策金融公庫などをつかえば、創業融資としてお金を借りることも可能ですが、今度はその融資を返済するために早急な結果が求められます。
また、機関からお金を借りるためには「事業計画書」を用意して、返済計画を説明する必要があります。
そんな時は親や親せき、友人といったお金を貸してくれそうな人に起業について話してお金を借りる方法もあります。
借りることができないとなると従業員として働いたり、アルバイトをすることでお金を稼ぐしかありません。
◆精神力の壁
自分が責任者で理不尽と思えるようなことも、自身で解決していかなければなりません。
災害やコロナがあったとしても全責任は社長であるあなたが背負うことになります。
起業を行う人は自分に自信を持っている人が多いですが、資金の枯渇、病気、不幸などが続くとどういう人でも自信がなくなっていきます。
そのなかでも起業という選択肢をした以上は、事業の継続を行う強い精神力が必要となってきます。
◆勉強力の壁
起業に学歴は必要ありません。
しかし、起業した時点から明確なゴールが見えない勉強が始まります。
起業したときから経営の勉強、経済の勉強、自身の事業に関しての勉強が必要となります。
勉強と言っても先生がいるわけでもありません。ビジネスなので答えがあるわけでもありません。
勉強して挑戦して失敗して、また勉強して挑戦して失敗してを繰り返し続ける必要があります。
自分の目的のために勉強を続ける力、特に学業において挫折した経験のある高卒の方には高い壁となりえるでしょう。
3.高卒で起業がうまくいく人の特徴
では逆に、高卒でも起業がうまくいく人にはどのような特徴があるのでしょうか。
◆起業の目的が明確
◆他人の話を素直に聞ける
◆フットワークの軽さ
起業して成功した人の共通点にはフットワークの軽さがあります。
これはただ単純に思い付きで行動するということでありません。
思いついた計画に対して、必要な行動を最速で実行し、それを検証、必要であれば計画の修正。
この一連の流れ、いわゆるPDCAのサイクルを高速で回すことを意味します。
自ら、考え行動につなげる一連の行動を誰かに指図されずに動くことができる、
そういう人材が起業に向いているといえます。
◆起業の目的が明確
長く残る事業はその事業自体が社会に求められている必要があります。
社会に求められるためにその事業が社会のどんな問題を解決するのかという点が、明確化されていないといけません。
起業がお金儲けのためという目的だけでは成功しないのです。
何のためにこの事業を行うのかという意思をしっかり持つ必要があります。
◆他人の話を素直に聞ける
参考になる意見を取り込んでいかない限り成長には結び付きません。
社長という立場になると、アドバイスしてくれる人が減る分、精神的には楽になるかもしれません。
ただ、アドバイスをしてくれる人が減るからこそ、耳が痛くなるアドバイスしてくれる人を大切にすることが重要です。
あらゆる物事を素直に成長の糧として取り組む姿勢、それが起業家として必要なスキルです。
4.起業したいと思った人が気を付けるべき詐欺
将来への不安を抱えている人を狙った、起業や副業を促す詐欺まがいの広告が存在ます。
高校を卒業して、社会を経験していない情報が乏しい人を狙った次のものがあります。
②起業セミナー
③仮想通貨やFXといった投資話
情報商材や起業、仮想通貨やFXでお金を稼いでいる人もいることはいます。
ただし、「誰でも稼げる」「毎日わずか1時間の作業で稼げる」といった謳い文句はあやしいです。
本当に稼げるのであれば、誰にも教えたくないはずです。
「これやったら稼げるよ」という情報を売ってお金を得ようとしています。
また、お金の札束や高額な金額が書かれた通帳の写真もあやしいです。
世の中にはPhotoshopという画像編集ソフトがあるため、写真だけで判断してしまうと危険も。
仮想通貨やFXで稼いでいる人は勝つために世界の状況について勉強し続けています。
勉強していたとしても勝てるとは限らない投資の世界。そう簡単に勝てるものではありません。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。
高卒で実際に起業して大成功を収めることができる人は実在しますが、自分が本当にそういうことができる人間なのかよく考えて取り組む必要があります。
また甘い言葉に惑わされて、なけなしの貯金を使い高額のセミナーを受講したり、情報商材などの怪しげな商材に手を出したりするのは非常に危険です。
実際、詐欺に近い形で起業させようとする業者も最近は増えています。
自分の意思をしっかりもち、ぶれず、立ち向かい続けられる人が起業に向いているといえますね。