2022.06.29 最終更新
なぜ大学中退はクズと呼ばれてしまうのか|いまからでも巻き返す方法とは
卒業できなかったという挫折感。学歴が高卒になってしまうというコンプレックス。新卒扱いにならない不安。そんな気持ちから解放されるにはどうすればいいでしょうか。
今回はそういう気持ち向き合っていく方法をご紹介します。
・98%の人は問題なく大学を卒業している
・大学中退していても年齢が若ければまだまだ大丈夫
・一人で行動することが難しい人は国の制度や民間の就職支援サービスに頼ろう
1.大学中退がクズ扱いされてしまう理由って?
結論から述べると大学中退した人が必ずしもクズというわけではありません。
とはいえ、就職しようとした際に雇用する側からネガティブに思われがちなことは事実です。
文部科学省の「大学における授業料滞納・中途退学・休学の状況」の調査によれば、中途退学の総数は、回答した学生数206万6387 人のうち、2.12%にあたる4万3528 人となっています。
数字だけで見ると多くの人が大学を中退しているように感じますが、全体を100人だと換算すると98人は問題なく卒業できていると考えられます。
もちろん中途退学の理由は人によって様々ですが、大多数が普通に卒業できていると考えると卒業できなかった残りの2%に疑問を感じるのもおかしくはありません。
そのほか大学中退した人に対する世間一般のイメージとして以下のようなものがあげられます。
・物事を途中で投げ出しそう
大学は基本的に日々の勉強を怠らなければ、卒業はできることがほとんどです。
なので継続してコツコツと努力を行う人間は何の問題もなく卒業できます。
逆に金銭面などの理由以外で卒業ができなかった人はそのコツコツ努力を重ねることが苦手だろうと思われることが多いです。
そして、社会で求められる人間は物事を途中で投げ出さない人間がほとんど。
途中で放り出すタイプの人間に仕事を任せたくないと思う人は少なくありません。
・環境に適応する能力が低そう
大学中退を検討する理由の一つに大学の環境になじめなかったというものがあります。
サークル活動での交流も積極的に行わず、学部での活動にも参加しない。
仲間内の会話から外れてしまったことで、単位が取りやすい授業の情報などが入ってこない。
結果的に単位を取得することができず、留年してしまいより学校に行きづらくなった結果、中退。
なんてケースです。
大学は高校と違いある程度自分から積極的に行動しないと環境から取り残されやすいです。
会社に就職しても同様に周りの同僚や先輩の空気に大学中退者はついていけないなんてことを考える人も。
・物事を長期的に考えていなさそう
大学中退した場合の学歴は高卒と同じ扱いとなります。
そして大学中退したからといってもそれまでかけた入学金、学費が返ってくるわけではありません。
そのため、費用的側面だけで考えれば大学中退するよりも、高校卒業後すぐ就職した方が無駄なお金がかかってないといえます。
なので、一度大学に入学したのであれば、しっかりと大卒の学歴を取得したほうがよいでしょう。特に大卒と高卒では生涯賃金に大きな差が発生します。
厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査では高卒男性の平均年収が295万に対して大卒男性の平均年収は391万と100万円近い差があります。
これを最終的に生涯賃金に換算すると6000万円以上の差となります。
一時の都合だけで大学に通うことをあきらめてしまうことが、生涯を大きくわけてしまうことがあります。
しかし実際には目の前の困難を避けるため、大学中退する人がいます。
彼らは中退という選択が今後自分の人生を大きく左右することを考慮していないケースが多いです。
2.大学を中退したことによる不安の解消方法
では、大学中退したら人生そこで終了なのでしょうか。実際、大学中退後に死んでしまうしかないのではと考えるほど追いつめられる人もいます。
参考:死にたい。。。大学中退したことを非常に後悔しています。自殺しかな… – 教えて!しごとの先生 | Yahoo!しごとカタログ
結論はもちろん、そんなことはありません。大学中退からビジネス的に成功している人も多いです。
大学中退したとしても巻き返す方法はたくさん存在するのです。
ただし、大学中退したことを負い目と感じ、周囲から常にネガティブにみられていると思い込み始めるとなかなか就職活動もうまくいきません。
気持ちが暗い状態で人生の岐路の選択を行うと、後悔を招きやすいのも事実です。
まずは大学中退をしたことによる不安を解消するところから手を付けてみましょう。
・大学中退の悩みを共有する
大学中退の立場は孤独でなかなか悩みを共有しづらいです。
可能であれば同じ立ち位置の人間で悩みを共有しあうだけでも気持ちが軽くなるのですが、大学中退者は全体の2%しかおらず、同じ大学で同じ中退した立場の人間でも学年や学部が違えば共通項がなくなかなか交流する機会が生まれません。
便利なことに昨今はSNSなどで同じ境遇の人間どおし交流がしやすくなりました。
そのような場所で似た境遇の人間を探してみるのも一つの手です。
また、大学中退は決まっているがまだ在学中であるのならば、就職課などに一度相談してみるのも一つの手です。
スクールカウンセラーなどに話を聞いてもらうだけで、だいぶ心は楽になります。
・就職のコミュニティに参加してみる
大学中退後でもずっとニートやフリーターを続けられるわけではありません。
ニートをずっと続けてしまうと、就職がより困難になってしまうので、可能であれば早いうちに就職をしたいところです。
しかし、新卒で就職を目指す場合と違い、大学中退から就職を目指す場合、明確なレールがありません。
そのためいったい何から手を付ければいいのかわからなくなりがちです。
そういう時は同じ就職を目指す人が集まるコミュニティなどに参加してみましょう。
例えば、東京わかものハローワークでは定期的に就職のためのセミナーを開催しています。
就職サポートサービスActbizでも同じ就職を目指す仲間が毎週集まり、就職のためのビジネススキルを学ぶ講義を開催しています。
・大学中退からうまく立ち直った人の体験談を聞いてみる
大学中退した人の母数が少ないのでなかなか出会いにくいかもしれませんが、探してみれば大学中退後に普通に一般社会人として生活されている方も多くいらっしゃいます。
大学中退からどのように人生立ち直ったかの話を聞くことで、参考になることもあるかもしれません。
実際に問題なく生活できている人を見ることで「大学中退=クズ」という認識は改められると思います。
まとめ
大学中退したとして自分自身でちゃんと生活が送ることができていれば、社会的にもほぼ問題ないと認識されることが多いです。
特に金銭的にしっかり自立ができていれば大きなトラブルにまきこまれても、問題なく対処ができます。
クズだと馬鹿にされないよう、自立した生活を送ることができる体制を整え、不安を少しでも解消しましょう。