2022.06.30 最終更新
逃げ癖と向き合うために|厄介な問題から逃げずに対処する方法
自分の嫌なことから逃げるのは一種の防衛行動で必ずしも悪い行動ではありません。
ただ、ずっと逃げ続けると「逃げ癖」がついて、本当に大切な時に立ち上がれなくなります。今回は「逃げ癖」の原因と向き合う方法を考えていきましょう。
・自分に逃げ癖があると感じていても、それ自体を否定しないよう心がけよう
・小さな変化や結果を少しずつ評価してあげよう
・逃げ出したくなったら真正面から立ち向かわず、立ち止まって対処法を模索しよう
1.逃げることは悪いことではありません。
人は誰でも大きなプレッシャーや重圧から逃げたくなるものです。
ひとつの防衛反応として当然のこと。
それぞれに悩みやコンプレックスを抱えるなか、苦手なことに正面から向き合うことは容易ではありません。
しかし、逃げたいという欲求に任せてその行為をくり返せばやがて「逃げ癖」となり、向き合うということ自体が面倒になります。
一度ついた癖はなかなか改善できるものではありません。
ひとつの価値観としてその先長く付き合っていくことになります。
逃げ癖がついてしまうと、自分でも気づかないままあらゆる局面で逃げるという選択肢を持ってしまいがち。
社会生活を送るうえでマイナスに働くことが多くなるのも事実です。
例えばあなたは、すぐ逃げる人に大事な仕事を任せられますか?
自分にやる気があっても周囲はそう見てくれません。
そうなるとやる気が喪失するばかりか、自分にはできないという自己嫌悪、周囲に認められないという孤立感に苛まれてしまいます。
そのような状況に陥るとなかなか克服するのは難しくなりますよね。
癖は習慣からつくものです。逃げるということを習慣化できたのであれば、逃げ癖を改善する習慣づけも可能なはずです。
2.逃げ癖がつきやすい人の特徴
逃げ癖がつきやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか。くわしく見ていきましょう。
・自分に自信がない
自分に自信がない人は褒められた経験や良い評価が少なく、「どうせ自分にはできない」「どうせ上手くいかない」と思い込む傾向にあるようです。
最初から諦めに近い考え方に支配されてしまうため、失敗を恐れ、プレッシャーや重圧から逃げ出してしまいます。
・向上心がなく達成感を得にくい
逃げ癖がつきやすい人は向上心が低い傾向にあります。そもそも向上心は目的や将来の目標に伴って湧いてくるもの。
目的がなくては仕事に対するモチベーションを維持しにくく、すぐに投げ出したくなります。
また、継続することができないため達成感を得ることができず、新しいことにチャレンジする意欲が湧いても同じループに陥ってしまい自信喪失にも繋がりかねません。
・ストレス耐性が低い
ストレスを感じやすく偏った考え方で心身に支障を及ぼしてしまう、いわゆるストレス耐性が低い人も逃げ癖がつきやすいと言えます。
ストレス耐性の低い人は責任感が強く思いつめやすい傾向にあるため、周囲の評価を極端に気にします。
そうなると、ものごとに対する判断基準を見失い自分を責めて疲弊してしまうことに。
結果的に現実逃避へと繋がります。
・成功体験が少ない(と思い込んでいる)
成功体験がない、少ないと感じている人は意外と少なくありません。
そもそも成功体験とは何でしょうか?
そう問われて答える内容は実にさまざまです。
例えば「志望大学に合格する」「重要ポストに昇格する」など将来を左右するような実績だけが成功体験ではありません。
「できなかったことができるようになる」のも立派な成功体験です。
成功体験がない、少ないと感じる人は他人の成功体験と比較したり、完璧を求める人が多いのも事実。
そのため自分の成功体験を過小評価してしまいます。
困難なものごとにぶつかると、こんな自分には乗り越えられないと考えてしまいかねません。
3.逃げ癖と向きあおう
どうしても「逃げることは悪いこと」という固定観念を持ってしまいがちですが、実は心理学では逃げ癖はあって当然という解釈をしています。
自分に身の危険を感じたときは条件反射で逃げるでしょうし、逆に逃げなかったことで心身に支障をきたす結果を招く恐れもあります。
そのため逃げること自体は決して悪いことではないのです。
問題なのは、あなたが逃げることで周囲に迷惑をかけたり、傷つけてしまう場合です。
例えば職場で責任のある仕事を任され、プレッシャーに押しつぶされそうになったあなたが逃げ出してしまうとします。
そうなると誰かがあなたの仕事を引き受けなければならず、その人が多くのタスクを抱えていた場合に大きな負担となります。
また周囲はあなたに対してこのように感じるのではないでしょうか。
・なぜ相談してくれなかったんだろう
・協力するつもりだったのに
・今後は仕事を頼みづらくなる
会社は組織です。
1人の力では利益を上げることはできません。
そのため、仕事を放棄されるより相談され協力したいと考えるものなのです。
目の前のプレッシャーから逃げるという選択ではなく、なぜそこから逃げたくなるかをまず考えましょう。
そのうえでどのように取り組んでいくかを模索する一歩こそが大切です。
4.逃げたくなりがちなシチュエーションとその対処法
仕事で逃げ出したくなるシチュエーションに遭遇したとき、逃げるという選択以外に対処できる方法はないのでしょうか。
ここでは逃げ出したくなる3つのシチュエーションとその対処法を紹介していきます。
・苦手な仕事を任された
誰にでも「得意・不得意」はあり、苦手意識があるものです。
不得意なことは誰であっても面倒だし、やりたくはありません。ただ、そこで逃げ出してしまうと周囲の信頼を失い、他の仕事もやりづらくなってしまいます。
まずはその仕事のどういう部分が苦手なのかを明確にし、以下のことを試してみましょう。
・苦手な中でも比較的取り組みやすいことから始めてみる
・周囲に協力をもとめる・アドバイスをもらう
・上司に仕事内容の相談をする
苦手なことがスムーズに進まないのが当たり前。
要は苦手な仕事を最後までやりとげたという経験になればOKです。
・上司とうまくいかない
実は上司に対して不満を感じている人は少なくありません。
下の図を見てみると、上司との関係にストレスを感じている人の割合が40%を越えており、職場のストレス要因として断トツに多いようです。
出典:総合人材サービスのマンパワーグループ 仕事上のストレスの原因、第1位は「上司との関係」
このように職場で上司にストレスを感じている人は案外多く、あなたが上司と上手くいかないと感じることは特別なことではありません。
・1対1のコミュニケーションを避ける(中立的な人を間に挟む)
・上司に嫌われているという思い込みを捨てる
以上の2つのポイントを押さえておきましょう。
・仕事に失敗したとき
どんな人でも失敗はします。
逆に失敗して学ぶという教訓もあるくらいです。
仕事で失敗をして逃げ出したくなる人の多くは、失敗によって周囲の評価が下がることを恐れているようです。
しかし実際は失敗しても簡単に評価が下がることはありません。
実は失敗すること自体ではなく、失敗したときにどうするかで人は評価をしているのです。
・失敗したときは素直に認め、謝罪する
・失敗した原因を考える
以上の3点を心掛ければ、失敗しても逃げ出そうとはせず次回は失敗しないようにと考えやすくなります。
まとめ
これまで自分に逃げ癖があると感じてきた人も、それ自体を否定する必要はありません。
自分が逃げ出したくなる状況で、そうならないように工夫するということ自体大きな一歩です。
あとは少しずつでも小さな変化を評価してあげて下さい。
その積み重ねが自己肯定感を高めることにも繋がります。
逃げ出したくなるときには真正面から立ち向かおうとせず、自分が立ち止まって対処できる方法を模索していきましょう。