2022.06.30 最終更新
フリーターって確定申告が必要なの?|年末調整との違いって?
今回はそんなフリーターの方向けに確定申告とはどういうものなのかをカンタンにご説明します。
・確定申告とは、1年分の収入に対してかかる税金を自分で計算して申告する手続き
・自分で正しく税務署に申告し、納付する義務がある
・期限内に確定申告を行わないとペナルティとして追加の税金がかかることがある
1.確定申告って何ですか?
こういった疑問を持っている人も多いと思います。
確定申告をカンタンに説明すると、
「1年分の収入(所得)に対してかかる税金(所得税)を自分で計算して、過不足を調整する手続き」
です。
また確定申告で所得が決定することにより、来年度の住民税が決定するため、とても重要な手続きの一つです。
日本では申告納税方式という税制が採用されており、個人が収入を得た場合には原則として自分で正しく税務署に申告し、納付する義務があります。
確定申告に苦手意識を持つフリーターの人はとても多いですが、それはフリーターの人の多くは確定申告を行っていないからです。
フリーターの場合、会社員の人と同様に勤務先で所得税を計算してくれる「年末調整」が行われることが多いです。
そして年末調整を行っている場合、確定申告を行う必要はありません。
そのため確定申告を敬遠する人が多いのが現状です。
逆に様々な理由で年末調整の対象外となったフリーターの人は、自分で確定申告をする必要があります。
確定申告は収入を得た翌年の2月16日から3月15日までの間に行います。
確定申告上での1年とは、1月1日~12月31日までの期間のことをいいます。
申告には確定申告書や源泉徴収票といった必要書類が必要なため、早めに用意しておくと良いです。
提出方法は税務署への直接提出の他に提出箱への提出、郵送提出、ネット提出の4つから選択が可能なので、忙しくて税務署へ行けない人も、安心して手続きすることができます。
場合によっては確定申告を行うことで、納めていた税金が還付金としてかえってくることもあります。
もし面倒くさいと思って確定申告をしなかった場合、還付金が戻らず税金を払い過ぎたままになるケースも発生します。
また、万が一追加納税が必要な場合には確定申告を忘れていると税金未納となり、大変なことになってしまいます。
以上のことから、対象の人は忘れずに確定申告を行う必要があります。
2.フリーターは確定申告した方がいいの?
自分が確定申告をする必要があるのか、最初のうちは良くわかりませんよね。
フリーターの中でも、確定申告が必要なケースと不要なケースがあるので、具体例をご紹介します。
自分は確定申告が必要か悩んでいる人は参考にしてくださいね。
・確定申告が必要なケース
◆掛け持ちで働いている人
2社以上の勤務先を掛け持ちで働いている人は、確定申告を行う必要があります。
税金の仕組み上、1社から150万円を受け取っている人と2社から75万円ずつ受け取っている人では税金が異なってしまうことがあります。
そうした税金の不平等をなくすためのルールとして、2社以上の勤務先で働く場合には確定申告が必要となります。
ちなみにフリーターとして掛け持ちしている人だけでなく、正社員で副業をしている場合も同様に確定申告が必要なので、覚えておきましょう。
◆勤務先で年末調整をしていない人
勤務先で年末調整をしていない人も、確定申告の対象となります。
雇用形態が業務委託の場合や、日雇い労働などで複数の勤務先を転々とする人などは年末調整をしないケースが多いため、自分で確定申告を行わなければなりません。
また勤務先に年末調整をやってもらえる場合でも、期限までに書類の提出を行わなかった場合には自分で確定申告しなければならなくなるため、注意しましょう。
◆年末調整の前に退職した人
年末調整の時期より前に退職し、年内に再就職する予定のないフリーターの人も確定申告が必要なので注意しましょう。
もし2社掛け持ちしていたうちの1社のみ退職した場合は、在職している勤務先がまとめて年末調整を行ってくれるか確認しましょう。
退職した勤務先文の手続きを行って貰えない場合は、自分で書類をまとめ確定申告を行う必要があります。
・確定申告が不要なケース
◆1社だけで勤務し、年末調整している人
1カ所の勤務先で働き、年末調整をしている場合は確定申告不要となります。
給与から天引きされた所得税を会社が年末に再計算し、差額を調整することで所得税の納税が完結するためです。
◆1年間の年収が103万円以下の人
年収が103万円以下の人は所得税がかからないため、確定申告は不要です。
掛け持ちで働いている場合でも、1年当たり103万円以下の収入であれば手続きする必要はありません。
3.年末調整って確定申告と関係があるの?
年末調整と確定申告には、それぞれ異なる性質があります。
給与をもらっている人の多くは、あらかじめ勤務先が給与から所得税を天引き(源泉徴収)し、国に納めてくれます。
しかし実際は、源泉徴収で引かれる所得税は様々な理由でズレが発生します。
例えば年の途中で給与額が変わったり、控除対象になる保険に加入した場合などです。
年末調整ではこの「ズレ」を勤務先が調整してくれるのが特徴です。
一方で確定申告は、自分で所得金額や税額を計算し国に納める方法です。
書類などの用意が大変なだけでなく、所得税が給与天引きされていない場合はまとまった出費が痛い場合もあります。
そして掛け持ち勤務などの場合には確定申告が必要です。
年末調整が確定申告と異なる点をまとめると、以下のようになります。
・書類などの用意や計算が少なくカンタン
・給与から大体の所得税が天引きされるので、後々慌てる必要がない
・掛け持ち勤務でないなどの条件を満たす必要がある
年末調整をしてくれる勤務先の場合は期限を守って手続きして貰ったほうが個人的な負担を軽減することができます。
4.フリーターの確定申告の具体的なやり方
フリーターの人が確定申告を行う場合には、まず確定申告書と源泉徴収票が必要です。
源泉徴収票は自分で作成できる書類ではないため、早めに勤務先から貰っておきましょう。
その他にも書類が必要になるケースがあるので、詳しくは国税庁のホームページを確認しましょう。
用意する書類がわかっても、確定申告の具体的なやり方がわからない人は多いのでしょうか。
そんなときは国税庁ホームページの「確定申告特集」や「確定申告に多いお問い合わせ事項Q&A」などを確認しましょう。
また確定申告の時期になると、税務署などに相談会場が設けられ、申請書用紙や届出書の交付、申告書作成のためのアドバイスをもらうことができます。
自分で解決できない疑問や不安がある場合は、一度相談会場のスタッフに相談してみましょう。
5.確定申告が必要なのに忘れてしまった
確定申告の期限は毎年2月16日から3月15日までの間です。
期限内に確定申告を行わなかった場合、ペナルティとして無申告加算税や延滞税といった追加の税金がかかることがあるので注意が必要です。
申告を忘れた期間が長くなるほど徴税額が膨大になっていき、より大変になってしまいます。
期限後に申告忘れに気づいた場合、追って対応できることもあるため、最寄りの税務署で早急に相談しましょう。
また確定申告を怠ると控除などの申告が漏れてしまいます。
そのため翌年の住民税が本来より高くなってしまう場合もあり、かなり損をしてしまいます。
余計な税金を支払わなくて済むように、確定申告は毎年忘れず行うようにしましょう。
まとめ
この記事ではフリーターの確定申告について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
フリーターの確定申告についての要点は、以下の5つです。
・フリーターでも掛け持ちや年末調整しない人は確定申告が必要
・年末調整は確定申告に比べ、手続きが簡潔
・書類や手続きについての不明点は税務署や相談会場で相談
・確定申告を忘れると追加で課税されるの注意が必要
解説した通りフリーターの確定申告は大切な手続きのため、対象者はしっかりと情報収集し、忘れずに申告する必要があります。
書類や手続きがわかりにくい場合は、税務署や相談会場でプロにやり方を聞いてみましょう。
ただ、そもそも正社員になれば年末調整があり、確定申告する必要はありません。
確定申告の手続きが面倒と考える人は、正社員を目指すことで余計な手間を省くことができます。