2022.06.23 最終更新
女性のニートや引きこもりってどれくらいいるの? 男性との違いやその特徴とは。
「知人の女性がニートになった」
このような漠然とした不安を抱えていませんか?この国には、一定数の女性のニートが存在します。また、男性のニートとは違った特性があるのです。
そこで、この記事では女性のニートの特徴について解説します。女性のニートが社会復帰するためのヒントも解説しますので、是非参考にしてください。
・女性のニートも一定数いるが、家事手伝い扱いされているケースもある
・ニートの女性は保護されがちな分、見過ごされる場合もある。
・女性のニートの社会復帰にはスモールステップで復帰を目指すのが効果的
1.女性のニートやひきこもりの割合って?
ニート・ひきこもりといえば、男性のイメージが強い方も多いのではないでしょうか?
実際に女性のニートやひきこもりの割合はどうなっているのか、公共機関のデータをもとに調査してみました。
総務省統計局が2022年2月に発表した「労働力調査」によると、ニート・引きこもりに近い概念といえる完全失業者数は男性が108万人・女性が72万人となっております。
女性の失業者72万人の中で、年齢別の分布は以下の表のとおりです。
年齢 | 完全失業者数 |
15~24歳 | 9万人 |
25~34歳 | 20万人 |
35~44歳 | 12万人 |
45~54歳 | 16万人 |
55~64歳 | 12万人 |
64歳以上 | 3万人 |
女性のニート・引きこもりの背景として、「家事手伝い」という肩書があります。
家事手伝いは職歴にはならず、就職活動においては空白期間として扱われます。
実質的にはニート・引きこもりと同等の扱いだと捉えてよいでしょう。
2.女性がニートやひきこもりになる原因って?
女性がニートやひきこもりになる原因は何なのでしょうか?
男女共通するものから、女性の方が陥ってしまう傾向が強いものまで含めて解説します。
就職活動に失敗したため
学校の最終学年時の就職活動に失敗し、学校卒業と同時にニートになる女性は少なくありません。
学業に力を入れてこなかった高校生が卒業と同時にニートになるケースもありますが、意外にも多いのが大学卒業と同時にニートになるケースです。
学業に力を入れ、優秀な成績を納めた過去がある女性ほど、就活に失敗したことを機にニートになってしまうことがあります。
書類選考を通らなかったことや採用面接でうまくいかなかったことで、それまでの努力を否定されたように思い込んでしまい、努力することができなくなってしまうのです。
仕事で挫折した経験があるため
これまでに経験した正社員やアルバイトの経験の中で、仕事で何らかの挫折したことをきっかけに、退職と同時にニートになる方もいます。
就職活動に失敗したケースと同様に、それまでの努力を否定されたように感じてしまい、立ち直れなくなってしまいます。
- 上司に酷く怒られた
- 仕事の成果が数字になって表れない
このような経緯から挫折してしまい、社会復帰するための気力が沸かなくなるのです。
体調を崩したため
さまざまな要因で、心身のバランスを崩し、体調不良をきっかけにニートになる人もいます。
学業や仕事での挫折から心の病になるケースもあれば、勤務していた会社で働きすぎてしまい、過労で倒れてしまうケースもあるのです。
特に真面目な性格な人ほど、自分の限界を越えたラインまで頑張りすぎてしまう傾向があります。
心を壊してしまった人は社会に出るのが怖くなり、体を壊してしまった人は挫折を味わい、立ち直れなくなってしまうのです。
人間関係で失敗したため
勤務していた会社での人間関係に苦しみ、ストレスが原因で仕事を諦めてしまうケースもあります。
特に女性が多い職場は人間関係が複雑になる傾向があります。
陰湿ないやがらせをされたり、お互いのプライドの衝突がトラブルに発展するケースもあるのです。
人間関係での失敗を経験すると、「転職しても同じ失敗をするのではないか」と弱気になってしまいます。
その不安から新しい一歩を踏み出せず、ニートとなってしまうのです。
3.女性のニート、ひきこもりは男性と違うの?
女性のニートには、男性のニートとは違った特徴があります。女性ニートが陥りがちな3つの特徴について解説していきます。
家事手伝いという肩書に落ち着いている
「家事手伝い」という肩書を背負った、隠れたニートも一定数います。
「実家の家事を手伝う」ことを理由に、働かないことを正当化しているのです。
男性とは違い、女性は家事手伝いという肩書が通用しやすい側面があります。
家事手伝いという肩書に居心地の良さを感じ、働くという選択肢をシャットアウトしているのです。
親・彼氏に守られている
上記の家事手伝いニートの特徴として、親が過保護すぎるあまり、娘が常に家にいる環境を親も心地よく感じているケースがあります。
家事手伝いという肩書を与え、堂々と親のすねをかじらせているのです。
同様に、親ではなく彼氏と同棲しているニートもいます。
専業主婦気分で、家事をすることが仕事になっているのです。
しかし、婚姻関係にない以上は男性も女性を扶養する義務はなく、いつ捨てられてもおかしくはない不安定な状況だともいえます。
婚活を言い訳にしている
婚活を理由に、仕事を辞めてニートとなる女性も一定数います。
確かに婚活には時間が必要です。フリーの時間をできるだけ多く確保した方が、効率よく婚活を進められるでしょう。
しかし、男性目線から見るとニートの女性はあまり魅力を感じない方が多いのではないでしょうか?
仕事や趣味に打ち込んでいるわけでもなく、ひたすらマッチングアプリで婚活相手を探す毎日です。
いつまでたっても相手が見つからず、婚活ニートが長引く恐れがあります。
4.女性のニート、ひきこもりが社会復帰する方法
女性のニート・ひきこもりが社会復帰するには、スモールステップでできることから始めることが大切です。社会復帰するための小さなステップについて解説します。
早寝早起きして生活リズムを取り戻す
ニートやひきこもりは、昼夜逆転生活をしている人も多いはずです。
心当たりがある人は、早寝早起きして生活リズムを戻すことから始めましょう。
おすすめは朝起きて1時間以内に散歩に出かけ、日光を浴びることです。
数々のベストセラービジネス本の著者でもある精神科医の樺沢紫苑先生によると、日光を浴びると体内時計がリセットされることで生活リズムの改善効果が期待できるといわれております。
また、脳からセロトニンなどの幸福物質が分泌され、1日のスタートを気分よく切れることが期待できるそうです。
社会復帰するために、まずは生活リズムの改善から取り組みましょう。
アルバイト・派遣から始めてみる
ニート・ひきこもりからいきなり正社員で就職することは、ハードルが高いように思える方も多いでしょう。
その場合は、アルバイト・派遣の仕事から挑戦してみることをおすすめします。
アルバイト・派遣の仕事は労働時間や勤務日数が少ないものもあり、自身の裁量で挑戦できるものもあります。
いきなり正社員で就職することに不安がある方は、アルバイト・派遣から始めてみるとよいでしょう。
在宅ワークに挑戦する
今の時代は、会社に通勤することがスタンダードとはいいきれません。
週の半分ほど出勤・残り半分はリモートワークの会社や、完全リモートワークの会社もあります。
また、ライティングスキルやweb制作スキル、デザインスキルなど何かスキルがあれば、フリーランスとして在宅ワークで稼いでいくことも十分可能です。
現状スキルがなければ、努力してこれから身に着けるのもいいでしょう。在宅ワークを目指している方向けの、スキルを身に着ける講座もたくさんあります。
人間関係が苦手な方や、決まりごとが多い会社員生活に窮屈さを感じる方は、在宅ワークに挑戦してみましょう。
まとめ
ニート・ひきこもりといえば、男性のイメージがあった方も多いかと思います。
女性のニート・ひきこもりは、男性の陰に隠れて支援がいき届いていない部分もあるでしょう。
まずは、現状を打破したいと前向きな気持ちを持ち、できることから始めてみることが大切です。
また、ひきこもり支援の相談窓口を設置するなど、厚生労働省を中心とした国や地域の支援活動もあります。
まずは、小さな一歩から着実に踏み出していきましょう。