2022.03.17 最終更新
【タイプ別】中卒でも就職しやすい仕事12選
今回はそんな中卒でも就職しやすい職業をそれぞれ解説します。
1.中卒でも働ける仕事はありますか
中卒は高卒以上に仕事探しがハードです。
これは日本の高校進学率が98%以上とほぼ全員が高校に進学していることに起因しています。
安定人材をもとめる企業としては中卒の少数派を採用するメリットがあまりないというのが現実です。
非正規雇用であれば雇ってくれるところも多いのですが、正社員だとさらにハードルが上がります。
しかし、まったくないわけではありません。
では、どのような仕事であれば中卒でも働くことができる仕事なのでしょうか。
業務を行う上で、学歴がネックにならない
学歴よりも、経験が重視される仕事は中卒におすすめです。
仕事は結果を出すことが目的です。
学歴が無くても、しっかり結果を出せる仕事であれば問題ないといえます。
学校で教わった内容が仕事の結果に左右せず、「経験の中で身に付くスキル」が重視される仕事は狙い目です。
知識をいかす仕事よりも、実際に動きながら経験値を積みあげる機会が多い「肉体労働」よりの仕事の方が就職はしやすいでしょう。
専門スキルや資格をいかせる仕事
専門スキルや資格をいかせる仕事も中卒にはおすすめです。
専門スキルを持っている人は少ないので、一度スキルを身に付けてしまえば採用市場で差別化できます。
就職が不利な中卒が内定を獲得するには、「他の応募者との競争をそれほど必要としない分野」を開拓できるのもポイントです。
人手が不足している業界・職種
競争が少ない「人手が不足している業界・職種」の求人を受けるのも一つの方法。
さきほど説明した「他の応募者との競争を必要としない分野」を開拓する考えと同様です。
人柄や熱意を考慮せずに、学歴のみで不採用にされるケースは珍しくありません。
中卒が就職を成功させるには、競争をできる限りさけ、勝負可能な領域を見つけ出す意識をもつこと。
学歴だけに限らず、短期離職者や高齢者の就職など、一般的に就職が難しい求職者全般に共通する話です。
実績とスキルをつければ、転職もできます。
実力を蓄えて将来的に成功をおさめるためにも、「最初は」採用されやすい仕事を中心に受けることをおすすめします。
2.中卒でも働ける仕事(公務員編)
自衛隊
体力面や入隊後のモチベーションを保てるかが重視されるので、自衛隊は公務員の中でも学歴が影響しづらい仕事といえるでしょう。
自衛隊の採用試験は、いくつもの種目があり、それぞれ応募資格が異なります。
一般曹候補生と自衛官候補生に関しては、学歴不問で「18歳以上33歳未満」であれば入隊可能です。
自衛隊の採用試験は、中卒から直に受けられないので注意してください。
中学卒業後、応募資格を満たす15歳から17歳のうちに「高等工科学校」に入学する必要があります。
非常に狭き門なので、卒業までに勉強をしていない人は選考突破が難しいでしょう。
高等工科学校に入学した後の流れは以下の通り。
- 陸上自衛官(陸士長)に任命
- 既定の訓練を受ける
- 卒業後に1年間の教育を実施
- 自衛隊の中核として活躍できる「3級陸曹」に昇任
高等工科学校は、授業料無料、在学中の給料支給があることによって、経済的な負担が少ないこともおすすめのポイントです。
消防士・警察官などの保安職
消防士や警察官などの保安職も、中卒で挑戦できる仕事の一つ。
職に就くには公務員試験の合格が必須です。
受ける試験(区分)は学歴や年齢によって異なるので、募集要項をしっかり確認しましょう。
応募資格として「高等学校卒業レベルの学力」を求められるので、中卒であれば「高卒認定」を受ける必要があるので注意してください。
公務員試験は倍率が高く、合格は苦労するかもしれません。
その山を乗り越えてしまえば、仕事自体は厳しい訓練に耐える根気があれば身に付けていけます。
人の命を守ることにやりがいを感じる人には、おすすめの仕事です。
3.中卒でも働ける仕事(肉体労働編)
工場内作業員(製造・仕分け)
中卒に工場内作業員がおすすめできる理由は、現場経験の積み重ねで結果につながる仕事だという点。
現場では、効率よく仕事を進められるかどうかが重視されます。
臨機応変に考えて作業を行える力は、現場経験を積み重ねることによって身に付きます。
工場の作業員は大きく分けて、製造と仕分けの2種類。
食品、精密機械、自動車などの「ものづくり」に携わる仕事が製造。
組み立て・加工や仕上げなど、さまざまな製造工程の一つ以上を担当します。
仕分けの仕事は、主に以下の業務があります。
- 配達されてきた商品や部品を、作業範囲ごとに分類する(入庫作業)
- 分類した部品を、製造班が作業する場所にセッティング
- 出荷先ごとに商品を分類する(出庫作業)
フォークリフトは業務上よく使い、応募資格になっているケースも多いので、取得すれば選考に有利でしょう。
- 製造オペレーター→メンテナンス職や生産管理
- 仕分け作業員→現場管理
など、工場内作業員の仕事は幅広くキャリアアップも可能な分野です。
警備員
学歴を問わずに、実務未経験から採用されやすいのが警備員の特徴。
交通誘導、施設の巡回警備の他、機械警備や万引きGメンも仕事内容に含まれます。
スキルを必要としないイメージがあるかもしれませんが、お客様とコミュニケーションを取る機会も多く、臨機応変に判断して動く場面は多いです。
就職のために資格は必要ではありませんが、既定の資格を所有していなければ担当できない仕事もあります。
警備に関する資格を前もって取得すれば、長期的に活躍できる人材と判断されるでしょう。
夜勤やシフト勤務があるので、体調管理の上手さをアピールできるかもポイントです。
調理全般
調理はやる気と適性が重視されるので、中卒でも就職のチャンスがあります。
向いているタイプは、以下の通りです。
- 多くのオーダーに対応できる要領の良さ
- お客様のニーズに沿った料理を提供する探求心がある
- センスのよい盛り付けができる美的感覚
お客様に対して、よりよいサービスを提供する視点は接客と変わりません。
料理への関心や向き不向きはもちろん、お客様を第一に考えられる気持ちが認められれば採用される可能性はあるでしょう。
屋外の現場作業員
屋外で作業を行う現場作業は、多くの中卒が働いているので、学歴がネックになりません。
- 土木
- 鳶
- 板金
- 塗装
- 解体
などの職業が該当します。
屋外での作業なので、天候によって過酷な労働になることは覚悟する必要があるでしょう。
ただ、一度手に職をつければ職に困らず、出世すれば高収入も狙えます。
仕事は大変ですが、将来性が高いというメリットもあります。
年齢が上がると、現場の仕事一本は体力的に厳しくなるのは当然です。
現場で働くのが難しくなった場合に備え、資格取得などのスキルアップを若いうちから行えばリスクは少ないでしょう。
ルート配送
ルート配送は契約している店舗や会社に荷物を届ける仕事。
ドライバーと表現させる場合もあります。
運転技術があれば最低限の業務は行えるので、学歴は問われないケースが多いです。
配送業務と並行して、自社製品の紹介を行うケースも多いので、ある程度は人と接することに慣れていると業務がスムーズに進められます。
ただし、毎回同じお客様と顔を合わせるので、嫌われてしまうと仕事に影響が出ます。
最低限の常識、余計なことを口にしない冷静さも大切です。
ルート配送で活躍できる人のタイプをまとめると、以下のようになります。
- 長時間の運転が苦痛にならない
- 事故を起こさない注意力
- 最低限の顧客対応ができる
- 単独行動が好き
中型・大型免許やけん引き免許、積み降ろしの際に使用するフォークリフト免許などは、就職に有利でしょう。
4.中卒でも働ける仕事(資格系)
介護職
学歴を問わずに、正社員就職がしやすい職種の一つ。
ニーズに対して人材不足なので、適性とやる気が認められれば、就職できる可能性は高いでしょう。
働く上で資格は必須ではありません。
しかし、介護福祉士の資格を取得できれば、さらに専門的な業務を担当できます。
資格取得を足掛かりに、中卒からでもキャリアアップを実現できるでしょう。
中卒(既卒)が介護福祉士を取得するには、以下3つのステップを踏む必要があります。
- 介護施設に就職して、3年の実務経験を積む
- 実務者研修の修了
- 介護福祉士の試験に挑戦
他には、中学卒業後に福祉高校へ進学して、3年次に受験の権利を得るルートもあります。
中学をこれから卒業する人のみ使えるルートで、既卒の場合には使えないので注意してください。
仕事の大変さを受け入れることができ、人から感謝されることにやりがいを感じる人にはおすすめの仕事です。
ITエンジニア
日常生活や企業活動に欠かせない、IT分野全般の仕事に従事します。
ニーズがある一方、業界の人材不足は深刻です。
一部の企業を除けば学歴不問の求人も多く、10代〜20代であれば、実務未経験でも学習したスキルが認められることで就職は可能でしょう。
プログラミングなどのITスキル習得はハードで挫折率は高いのですが、乗り越えることで希少なスキルが手に入ります。
挫折していく人の方が圧倒的に多いからこそ、就職活動ではポテンシャルを考慮してもらえます。
ただし、年齢と実績のバランスに対する捉え方が、厳しいのが業界全体の特徴。
実務未経験で30歳を超えると、就職は困難になります。
ITエンジニアを目指すなら、若いうちに決断した方がよいでしょう。
ビルメンテナンス
中卒でも資格をいかせば、就職できる可能性が高い仕事です。
40代以上の実務未経験者でも多くの就職実績があるので、年齢的に若い中卒の場合はスキルとやる気次第といえます。
ビルメンテナンスの業務内容は幅広く、活躍の場が多いのが特徴です。
業務内容 | 具体的な業務 |
衛生管理 | 害虫駆除、建物の清掃 |
設備管理 | 電気・空調の点検、エレベーターや消防用設備点検 |
警備・防災 | ビル内の監視、駐車場の管理 |
ビル管理 | 管理人としての受付業務や管理業務 |
危険物取扱者乙種4類や二級ボイラー技士、第二種電気工事士の資格があれば就職には有利でしょう。
全国のポリテクセンターで無料の講習を受けられます。
参考 : ポリテクセンタービル管理科
5.中卒でも働ける仕事(接客系)
営業職
比較的、学歴を問われないのが営業職。
営業成績が重要なので、人柄を中心にポテンシャルを重視される傾向があります。
営業職は会社の代表として、顧客とコミュニケーションを取ります。
そのため、一定の知識や常識がある、高卒・大卒の方が業務を行う上では有利でしょう。
しかし、受注につなげられるか否かは、いかにお客様に信頼を与え、商品のメリットを伝えられるかが重要です。知識の量よりも、人柄や熱意、実務で得た経験値が大切といえます。
営業職といっても、さまざまな種類の求人があります。
商材やターゲットとする顧客層によっては、中卒でも十分に活躍が期待できます。
営業職の経験を積むことで、ビジネスの基本が身につきます。
すべての職種に応用が効くので、確実に市場価値は上がるでしょう。
コールセンター
コールセンターは入社後に数か月の手厚い研修があるので、努力次第で中卒でも活躍できる仕事の一つです。
離職率が高いといわれていますが、短期間で辞める人がいる一方、長く勤めている人が多いのも事実です。
仕事を継続できるかは、本人の業務適性と職場環境とのマッチ度にもよるでしょう。
業務内容は大きく2種類。
- 問い合わせやクレームに対する対応
- 企業や個人宅に、自社サービスの案内
1をインバウンド。2をアウトバウンドと呼びます。
コールセンター業務のデメリットは、オペレーターのメンタル的な負担。
AIを駆使したチャットボットの導入、メール対応の増加により、オペレーターの負担が減っている傾向があります。以前に比べ、職場に定着しやすくなったといえるでしょう。
接客・販売
接客・販売の求人は、学歴不問・実務未経験可で募集しているケースが多いです。
コロナ禍の影響で、宿泊業や飲食業の求人は減少傾向なので、幅広い業界の求人に目を向ける必要があるでしょう。
参考 : 帝国データバンク 景気・経済動向
- 信頼を与えられる人柄
- 購入メリットを適切に伝えられるコミュニケーション能力
上記は、営業職と同様、仕事の結果を左右する大切な要素です。
これらの要素は、入社後の努力と実務の経験値を積みあげることで身に付くもの。
「仕事に真摯に向き合い、継続して取り組める人材」かを上手くアピールできれば、採用されるチャンスはあります。
まとめ
中卒で働ける仕事は、決して多くはありません。
しかし、仕事内容や会社の採用方針を考慮すれば、採用されるチャンスはあります。
行動しない限り、結果はついてきません。たとえ状況が辛くても、そうそうにあきらめてしまう行為はNGです。
上手くいかないければ、早め早めに軌道修正を図り、一歩でも前進する意識を大切にしましょう。