2022.07.19 最終更新
大卒なのに就職できない人の特徴6選|自分自身と向き合う重要性
・大卒の就職希望者のうち、96%が就職している
・就職するために自分自身を分析し、改善を考えるのがおすすめ
・就職できなくても進学やフリーランスで働くなどの方法もある、悲観的になりすぎず失敗しても切り替えて今できることに取り組むことが重要
1.大卒なのに就職できない人の割合
厚生労働省の「令和2年度大学卒業者の就職状況調査」によると、就職率は全体で96%。
前年同時期の98%から、約2%の減少がみられます。
他の学歴卒の就職率は、短期大学卒業96.3%、高等専門学校100%、専修学校(専門課程)91.2%。
調査結果だけみると、就職が有利なはずの大学を卒業しても、就職に結びついていないケースが比較的多いことが分かります。
地域による就職率の差も目立ちました。
最も低い中国・四国地区が94.5%に対して、最も高い中部地区は98.3%。
就職が成功するかどうかは、各地区の有効求人倍率との兼ね合いも大きいといえます。
学歴だけが採否の決め手ではないのは明らかです。
内定を獲得するには、しっかりとした戦略で就職活動に臨む必要があります。
2.大卒で就職できない人の特徴
服装や言葉遣いに常識が感じられない
服装や言葉遣いは社会人としての常識です。
ここができていないと、面接でどんなに立派な受け答えをしても、挽回が難しくなります。
社員一人の言動で会社の印象が決まってしまうように、入社後は会社の一員として責任を持った言動が求められます。
人生が決まるといっても過言ではない面接。
その重要な場面でさえビジネスマナーの基本を守れないと、入社後の勤務態度に疑問を持たれるでしょう。
服装や言葉遣いのクセは自分では気付きづらいもの。第三者に指摘してもらうことも有効です。
コミュニケーションが苦手
そもそも、就職活動はコミュニケーションの連続なので、苦手な人は苦労するでしょう。
コミュニケーションが得意なメリットは以下の通り。
報連相を的確に行える
メンバーとの人間関係が円滑になる
自分の意見を適切に主張できる
これらは、社会人として仕事をする上で必須の能力。
ポテンシャル重視の新卒の就職活動において、企業がもっとも重視するポイントです。仕事は他のメンバーとの連携で成り立っています。
コミュニケーションの得意・不得意は採否に直結するとはいえませんが、得意な人の方が選考に有利でしょう。
自分自身と向き合う姿勢がない
自分の強み・弱み、就職活動の方向性を明らかにしなければ、合わない仕事や会社ばかり受けてしまい就職活動が長引く可能性があります。
就職活動に失敗する人ほど、自己理解への意識が足りません。
たいして自己分析もせず、
「何となく楽そう・・・。」
「自分に合っていそう・・・。」
このような浅はかな考えで、応募数だけを増やす人は多いです。
応募先企業が知りたいのは、あなたを採用するメリット。
これまでの経験から自分自身と向き合い、どのような環境であれば自分の力を発揮できるかを十分に考える必要があります。
一社一社の企業研究を怠っている
応募数を増やして、内定の確率を上げる考えは間違いではありません。
しかし選考対策tが雑になると、かえって就職活動は長引きます。
面接官は、応募者の選考に対する熱意をすぐに読み取れます。
使いまわしの応募書類、テンプレートを少し変えただけの志望動機は一瞬で見抜きます。
企業ごとに、応募書類をカスタマイズ
同業他社との違いを明確にする
事業内容とサービスの詳細を把握
上記は、最低限準備して選考に臨みましょう。
応募先企業を詳しく知ることで、はじめて明確な自己PRと志望動機ができます。
多少時間をかけてでも、企業研究の質を上げましょう。
会社に育ててもらう甘えがある
面接の回答内容から、会社に依存する姿勢ばかり感じると、入社後の成長に疑問を持たれるでしょう。
とくに大卒は、目指す仕事が決まっている専門卒や高専卒に比べ、やりたい仕事が明確に決められない状態で就職活動している人も多いです。
仕事に対する熱意が不足していると、自分から積極的に仕事を覚える姿勢を伝えるのは難しくなります。
会社は学校のように手取り足取り教えてくれません。
自分の力で貢献することが仕事の本質です。具体的に、面接中の以下の受け答えには注意が必要。
研修の内容ばかり質問する
「会社に育ててもらう」というニュアンスの回答が頻発
経験もスキルもない新卒が、はじめから成果を出せないのは当然といえますが、主体的に仕事を覚えていく姿勢が伝わらないと採用は厳しいでしょう。
失敗しても反省と改善をしない
就職活動は仕事と同じで、PDCAサイクルで進めるのが基本です。
- 就職活動のスケージュールを決定(Plan)
- 選考を受ける(Do)
- 選考結果をうけて、反省する(Check)
- 改善する(Action)
1〜4を繰り返すことで、少しずつ内定に近づきます。
就職活動に失敗しやすい人は選考結果に一喜一憂し、3(Check)と4(Action)の段階に進もうとしません。
反省して就職活動の方法を少しずつ変えるからこそ、結果は好転していきます。
進歩がない状態で、次から次へと応募しても結果は同じです。
就職活動における選考結果は、一概に自分の責任とはいえません。
他の応募者がいる以上、採用人数の都合で結果が決まるケースもあります。
結果を受けとめて、軌道修正しながら前向きに活動していくことが大切です。
3.就職のために自分自身と向き合おう
就職を成功させるには、自己分析や第三者からみた客観的な評価を改めて行い、自分自身と向き合うことが大切。
その過程で現実が見えてくるので、手当たり次第に応募するよりも、就職活動の手ごたえは確実に感じやすくなるでしょう。
ここでは、自分自身と向き合い自己理解を深めるため、役に立つ方法を紹介していきます。
徹底的に自己分析をおこなう
自己分析を行うメリットは以下の通り。
マッチングミスの防止
志望動機や面接中のアピールに一貫性ができる
就職活動をスタートさせる前に、自分に合った職種や業界の見極めは大切です。
自己分析を行うことで「働く上での価値観」「興味・関心がある仕事」「能力や強みがいかせる仕事」が明らかになります。
そのため、就職活動では自分にマッチした会社だけに効率よくアプローチできるでしょう。
面接の受け答えでも、自分のアピールポイントを理解しているので、質問ごとに回答の軸がぶれることも少なくなります。
おすすめの自己分析のステップ
自分史を作り、印象的なエピソードをピックアップ
↓
エピソードに対して、「なぜ?」を意識して掘り下げていく
↓
強みや価値観、興味関心がいかせる仕事を明らかにする
プログラミングに興味を持ったエピソードを例に説明します。
中学生でプログラミングに興味を持った(エピソード)
↓
なぜ?
↓
幼いときから謎解きが好きだった(興味・関心)
↓
なぜ?
↓
論理的に考えるのが好きだし得意(上記3の強みや価値感)
ネガティブなエピソードも避けずに、自己分析の重要な材料と捉えることも大切です。
自分の特性は自分自身が最も理解しています。まずは就職エージェントなどの力を借りず、自己分析を行いましょう。
就職のプロにキャリア相談する
自己分析や選考対策をさらに精度の高いものにするため、プロである就職エージェントへのキャリア相談をおすすめします。
カウンセラーと接する中で、自分自身で気づけなかったポテンシャルや潜在的な価値感を明らかにできるでしょう。
就職エージェントは企業と深いパイプでつながっており、選考内容を熟知しています。あなたの課題や強みを把握した上で、「企業目線から」サポートしてくれます。
就職全般に有益な情報を得ることで、内定を大きく後押しできるでしょう。
模擬面接を受けて現状を把握する
就職エージェントは無料で模擬面接を行ってくれます。
本格的に就職活動をスタートさせる前に、模擬面接を受けて現状を把握するのもよいでしょう。
質問に対する受け答えの改善点
企業研究の際に着目すべき点
内定までのギャップ
模擬面接を行うことで、上記の内容が理解できます。
就職活動は時間との勝負なので、スケジュールがタイトで選考対策にさける時間は少ないかもしれません。
あらかじめ改善できる部分は把握して、対策をしておけば後々スムーズでしょう。
4.就職以外の方法も考えよう
大学院へ進学
大学院に進学して就職に成功している人も多いです。ただし、しっかりとした動機があり、学業に専念することが条件です。
大学院を卒業すると、年齢はおおよそ20代中盤。普通のルートで就職した同年代の社員は、すでに3年以上の就業経験があり、仕事にも慣れ評価されはじめる頃です。
採用されるには、同等かそれ以上の採用メリットを伝える必要があります。
「就職したくない・・・」「就職活動に失敗したので、仕方がなく」
このような、安易な気持ちで進学する人も実際にいますが、就職が決まらないという話はよく聞きますね。
大学院に進学する目的をしっかり明確にして決断しましょう。
専門学校に入学して就職を目指す
大学卒業後に2年間専門学校に通い、内定を獲得している人はいます。
取得までに一定の期間を要するスキルを取得できると、総じて就職はしやすいようです。
ただし、現在の年齢と失敗したときのリスクを考慮して慎重に判断する必要があります。
20代中盤以降は、徐々に即戦力採用 (中途)に切替わってくるので、いくら専門学校を出ても未経験では就職が厳しくなることは覚えておきましょう。
専門学校は特定の技術を学ぶため、逆に潰しが効かないともいえます。
本気で目指す目標がある場合に限り、決断すべきです。
やむを得ない事情があれば、就職留年がおすすめ
就職留年は卒業せず4年生のまま在籍して、新卒として就職活動を続ける方法。
新卒扱いで求人を受けられるのがメリットです。
しかし、安易に就職留年を選択すると企業からされるリスクがあります。
就職留年をすると、学費や生活の面で少なからず迷惑をかけます。
それでも就職留年を選択した事実から、内定が出ない決定的なマイナス要因があると疑われてしまうのは当然です。
就職留年を選んだ理由、留年中の過ごし方を、企業が納得できる説明ができなければ選考は不利になります。
アルバイトで責任のある立場を任された、部活が忙しくて勉強まで手が回らなかった。
など、本当にやむを得ない事情があればそこまで選考に響きません。
しかし、「大学に行かず単位が取れなかった」「第一志望に受からなかった」など、単なる怠慢や個人的な希望が理由の場合は厳しいジャッジをされるケースが多いです。
やむを得ない事情がある場合のみ、就職留年をおすすめします。
既卒で就職活動
「大学卒業後、3年以内の既卒者(25歳前後)」なら、新卒扱いする国の指針もあります。
参考 : 厚生労働省 青少年雇用機会確保指針
学費の負担がある分、安易な理由で就職留年を選択すると、人間性に不信感を持たれる可能性は大です。
やむを得ない事情がなければ、既卒で就職活動した方がまだ心象はよいでしょう。
スキルに自信があれば、フリーランスとして働く
安定した収入を得られるだけのスキルがあれば、フリーランスとして働く選択も有りです。
組織に所属していない分、個人にかかる責任は増えますが、会社の意向に左右されず自由に仕事ができます。
コロナ禍の影響で、働き方がより多様化してきています。
フリーランスで働いた経験が評価され、後々のキャリアアップにつながる可能性は十分にあるでしょう。
まとめ
大卒で就職活動に失敗しても、悲観的になる必要はありません。
希望の業界や会社に就職ができなかったとしても、実績をつけることで今後のキャリアアップは可能です。
前向きに就職活動を続けている限り、大学を卒業した経歴は無駄になりません。
就職活動では、他の応募者との比較で不採用になるケースが多いです。
人格を否定する企業は少数なので、失敗しても切り替えて今できることに集中しましょう。