2022.06.21 最終更新
空白期間(ブランク)はどう説明するのが正解なの?|ニート・フリーターの面接での回答の仕方
1:空白期間はどれくらいなら許される
企業が空白期間をマイナスに捉えないラインは、一般的に3カ月前後と言われています。
企業によって空白期間の捉え方はそれぞれです。
3カ月で長いとする企業もあれば、許容範囲がそれ以上に広い企業もあります。
ただ、コロナ禍の影響で再就職が厳しい背景を踏まえても、空白期間が長ければ長いほど不利であることに変わりありません。
就職活動のスケジュールを考える際は、一般的に不利にならない、3カ月以内を目安にするのが無難でしょう。
空白期間が長いと捉えられると
「なぜそんなに長く就業しなかったか」
「空白期間の中は何をしていたか」
などの質問は面接で確実に聞かれます。
空白期間にかんして、どのような質問をされても答えられるように準備できるかが、選考突破のポイントでしょう。
2.企業は長い空白期間をどうとらえるか
・働くことにネガティブになっている
長い空白期間があると、どのような背景があっても、働く意欲が少ないと捉えられるケースがほとんどでしょう。
空白期間中に応募者がどんなに就職活動を頑張ったとしても、体調が悪かったとしても、会社側は把握できるわけではありません。
理解できるのは、経歴をみて長い空白期間ができている事実だけです。
「なぜ、こんなにも長い期間働かなったのか?」
「働きたくなかったのかな?」
実際に面接で説明するまでは、応募書類の情報のみが判断材料です。
長い空白期間があると、どうしてもネガティブな印象だけが先行してしまいます。
・どこからも採用されないマイナス要素がある
どれくらい長く就職活動を続けようが、何社求人を受けようが、内定を100%獲得できる保障はありません。
しかし、冒頭でもお伝えした通り、企業は3カ月あれば就職活動の期間としては一般的に十分と考えます。
それ以上内定を獲得できなければ、どこの企業からも採用されないマイナスな要素があると捉えられる可能性は高いでしょう。
「仕事の能力が低いのでは?」
「対人スキルに問題があるのでは?」
最初はマイナスのスタートかもしれませんが、第一印象を覆す意気込みで選考に臨むことが大切といえます。
面接では失敗しないという意識よりも、加点していく気持ちを持ちましょう。
・継続力がなさそう
通常のペースで就職活動を進めれば、空白期間が選考に影響しない3カ月以内でも、それなりの数の企業とコンタクトを取れます。
経歴に大きなマイナスの要素がなければ、何かしら進展があってもおかしくはありません。
長い空白期間があると、就職活動をしっかり継続できたのか疑われるケースはあるでしょう。
「就職活動していない期間があったのでは?」
「空白期間中は一体何をしていたのか?」
「入社後も仕事のモチベーションを維持できないのでは?」
継続力に不安を持たれるリスクは、少なからずあるでしょう。
3.絶対NGな空白期間の説明は?
採用担当者は採用のプロです。面接中の受け答えの矛盾にはすぐに気づきます。
嘘がバレた瞬間に信用を失います。面接中にどんなに立派なことを言っても挽回が難しくなるので、嘘をつくのはどんな理由があってもNGです。
ここからは、ウソをつくことで発生する影響を解説します。
・入社後に苦労する
就職活動は内定がゴールではありません。職場に長く定着できて成功といえます。
嘘をついて採用されたとしても、仕事についていけず、入社後に苦労するだけです。
正直ベースで質問に回答していきましょう。
・肝心の自己アピールができなくなる
嘘をつくと、話しのつじつまを合わせるため、何度もウソをつく必要が出てきます。
面接中はそのことだけに意識がいき、肝心の自己アピールができないまま終わってしまうリスクがあります。
面接は企業からの質問に答える場ではなく、自分自身を売り込む場です。
何とかやり過ごそうという意識では、企業に入社したい想いが伝わりません。
ウソをつくことよりも、採用メリットと入社後の目標を伝えることに意識を注ぎましょう。
・リファレンスチェックを実施する会社もゼロではない
リファレンスチェックは、選考過程で明らかになった応募者の実績や働きぶりが、事実と相違がないかを確認する目的で行われます。
前職で一緒に働いた社員から、聞き取り調査を行う形が多いです。
経歴詐称を防ぐ目的や入社後のミスマッチを防ぐことにつながるため、中途採用では多くの会社が実施しています。
リファレンスチェックで嘘がばれると、不採用になる可能性が高いだけではなく、グループ会社などに人物面の悪評が広がってしまうリスクもあります。
転職活動は即戦力採用のため、経験を活かせる同業他社を受ける機会は多いです。
一つの嘘で就職の選択肢を狭めないよう、十分に注意する必要があります。
4:長い空白期間の説明はどうすればいい?
長い空白期間の説明は、すべて正直に話してください。
下手にウソついたり言い訳をすると、人物面でマイナス評価をされてしまいます。
働きたくなかったのであれば、その理由を正直に伝えましょう。
その上で今まで自分が何を反省し、今後どのように会社に貢献していくか、未来志向の話題に続けていくことが重要といえます。
空白期間ができた背景は人それぞれです。単純に働きたくなかった人もいれば、夢を目指していた人もいます。
ここでは3人の事例をもとに、空白期間を説明するポイントを紹介していきます。
・大学卒業後、2年間ニートのAさん
働いた経験がないだけではなく、目的がない生活を送っていたことがネック。
Aさんの場合、悪い所は素直に認め、これからどうするのかをアピールすることが大切といえます。
空白期間の質問をされたら、YES-BUT方式で回答するとよいでしょう。
YESで自分の悪い部分を認め、BUTでこれからどのように努力していくかを伝えます。
回答例 :
「確かに大学卒業後、2年間目的のない生活を送ってしまいました。(YES)」
「これからは人の何倍も努力するつもりで頑張ります。(BUT)」
ポジティブな話題で終わるので、全体的にマイナスな印象が残りません。
過去の失敗を糧にして、前向きに貢献していくことを回答の軸にしましょう。
・人間関係がうまくいかず退職後、フリータ生活を3年送っていたBさん
3年間働いた経験があり、基本的な社会人スキルが身についている点はアピールポイント。
人間関係でつまづいた経験があるとはいえ、フリーター時代では3年間仕事を継続できています。
Bさんの場合、職場環境さえ合えば問題なく実力を発揮できると捉えられるでしょう。
空白期間のことを聞かれたら、以下の点を意識してみましょう。
・3年間働く中で、周囲との人間関係をどのように築いてきたか
・身に付いたスキルの中で、応募先企業に貢献できるポイント
・すぐ辞めないで、長く活躍できる根拠を最後に伝える
回答例 :
「フリーター時代は前職の反省をいかし、相手の意図を考えて行動するようにしました。」
「その結果、3年間仕事を継続できましたし、働く中で御社の業務に活かせる〇〇のスキルを得ることができました。」
ミスマッチを起こさないように、企業研究を通して、まずは応募先企業の特徴をしっかり把握することが重要といえます。
・大学卒業後、5年間ミュージシャンの夢を追いかけていたCさん
Cさんの場合、5年間一つのことを継続できたことは、大きなアピールポイントです。
ただし、社会人経験がないことは、会社が採用を考える上で不安を感じる点といえます。
Cさんは空白期間の説明をする時に、以下の点を意識する必要があるでしょう。
・ミュージシャンになる努力をする過程で何を得たか
・挫折をどのように乗り越えたか
・なぜ、社会人として働こうと考えたか
回答例 :
「ミュージシャンを目指す過程で、仲間と協力する大切さを学びました。」
「挫折したこともありますが、結果が出ない原因を分析し、軌道修正をはかることで困難を乗り越える力がついたと思っています。」
「今度は社会人として実力を発揮し、会社に貢献しようと考えました。」
継続力という強み、目標達成のためのアプローチ方法を中心にアピールし、社会人としてどのように仕事に取り組んで行くかを明確に伝えましょう。
5:面接では自信をもって回答しよう
面接中に空白期間にかんして詰められたり、説教されたりするケースはほぼないでしょう。
説教する目的で応募者を面接に呼ぶほど、企業側に時間の余裕はありません。
採用担当者は限られた時間の中で、応募者の本質を見極める必要があります。
かりに問題がある人物を採用すると、会社にとっては大問題。
何よりも、採用担当者としての責任を問われてしまいます。
本当に採用する気がないなら、書類選考の段階で落とされるでしょう。
本格的に採用するまでは、企業にとってあなたはお客様の立場です。
企業イメージを下げかねないので、採用する気がない人に厳しく接することはありません。
かりに厳しい対応をされたらポジティブに捉えて、一つ一つの質問に自信を持って回答していきましょう。
まとめ
空白期間があった事実をしっかり反省して、今後の目標を明確に決めれば、どのような質問をされても軸をぶらさず回答することができます。
採用担当者が知りたいのは、過去どうしていたかよりも、あなたを採用するメリット。
「空白期間中で何を学び、それをどのように活かせるか。」
応募先企業にしっかりアピールできるよう、事前にしっかり準備して面接に臨みましょう。