2022.06.14 最終更新
高卒初任給の手取り平均値てどれくらい?|収入アップは現実的なの? 大卒に勝つには?
・高卒の初任給の手取り平均は15万程度
・大卒と比較すると初任給はそこまで変わらないが、差は広がっていく
・大卒の評価は揺るがないが働き方次第で逆転可能
1.高卒初任給の手取りってどれくらい?
高卒の初任給は実際どれくらいなのでしょうか。
賃金構造基本統計調査では下記のようになっています。
ただし、各種天引きの金額が含まれていない額面上の給与額になり、いわゆる手取りとは異なります。
初任給から天引きされるものは雇用保険料と所得税です。
雇用保険料は通常、給与額の0.3%となります。しかし令和4年10月からは0.5%に変更予定です。
また、所得税は給与所得の源泉徴収税額表というものから算出することが可能です。
給与が16万円台で扶養家族がいなければ、3340円~3620円の範囲となります。
結果として、ちょうど16万円程度が高卒初任給の平均的な手取り額と言えるでしょう。
参考URL:令和4年度雇用保険料率のご案内
なお、注意点として初任給の翌月の給与から厚生年金や健康保険の支払いが始まるケースが多いです。
こちらは初任給で差し引かれた金額より多い金額が差し引かれるため、結果として翌月の給与は初任給を下回ります。
初任給がおもったより入って油断していると翌月から大変なことになってしまいます。気をつけるようにしましょう。
2.高卒は収入アップが可能なの?
高卒の初任給はわかったのはいいものの、初任給のまま給与が推移していくのかと不安に思った人もいるかもしれません。
令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況の学歴別に見た賃金では年齢別に下記のようになっています。
◆高卒の年齢別・平均月収
年齢 | 給与(平均月収) |
~19歳 | 18万2400円 |
20~24歳 | 20万4300円 |
25~29歳 | 23万3100円 |
30~34歳 | 25万8700円 |
35~39歳 | 28万5200円 |
40~44歳 | 31万1400円 |
45~49歳 | 33万3300円 |
50~54歳 | 34万5400円 |
55~59歳 | 35万3700円 |
年功序列というわけではありませんが、高卒でも年齢を重ねるたびに平均月収は上がっています。
順当に行けば、高卒でも40歳を越えたあたりで月30万程度が見えてきます。
3.高卒と大卒で比較をすると?
では、高卒と大卒で比較をするとどうでしょうか。
社会人一年目として大卒と高卒を比較をするとだいたい3~5万円の差があります。
とはいえ、高卒がすぐに就職すると18歳から働き始めるのに対して、大卒は22歳からとなります。
同じ年齢の高卒の給与は当時より上がっている場合もあるため、初任給で一概に比較することは難しそうです。
しかし年齢別で大卒の給与がどのように上がっていくかを確認すると、また見え方が変わってきます。
◆大卒の年齢別・平均月収
年齢 | 給与(平均月収) |
~19歳 | – |
20~24歳 | 22万9100円 |
25~29歳 | 26万6200円 |
30~34歳 | 31万3900円 |
35~39歳 | 36万5200円 |
40~44歳 | 41万6400円 |
45~49歳 | 46万1500円 |
50~54歳 | 52万6600円 |
55~59歳 | 51万6500円 |
高卒が55~59歳で35万程度に平均月収に達するのに対して、大卒では35~39歳で、同じくらいの月収に達してしまいます。
年齢を重ねるごとに高卒との平均月収の差は大きくなり、その生涯賃金の差も拡大します。
高卒で年齢を重なっていったとしても大卒との差を埋めるのはなかなか難しいのが現実です。
4.高卒と大卒の差がつく理由
なぜ、高卒と大卒でこのような給料の差がつくのでしょうか。
理由としては下記のようなものが挙げられます。
・大学という関門を乗り越えたこと自体を評価される
企業は一人で行動して判断できる、自立自走できる人間を高く評価します。
そのために大学という関門は一つの目安として非常に効果的な役割を果たしています。
大学に入るためには大学受験という大きな壁を乗り越えなければいけません。
そのために必要な勉強を受験までの間、計画的に行っていく必要があります。
また、大学に入れたとしても一筋縄では行きません。
単位を取得するためにはスケジュールをうまく調整しなければいけません。
研究やサークル活動、場合によってはバイトもこなしてお金を稼ぎながら勉強している人もいます。
論文が教授のお眼鏡に叶わなければ、卒業することもできません。
そして、これらはすべて自分自身で行わないといけないのです。
企業が自立自走できる人間を求める以上は、大卒の人間の評価はひきつづき高いままでしょう。
・専門的な学問を修めた証明
大学で学ぶことができるのは高校で学習してきたものより、さらに専門的なことを学んでいきます。
もちろんそれが必ずしも就職や仕事で役に立つとは限りません。
しかし、企業では専門的な仕事を今度は働きながら学習していくことになります。
専門的な学問を修めた人間であれば、企業に入っても引き続き学習を続けてくれるであろうという期待を企業も持つわけです。
・作業従事者の評価が下がっている
現代、ただ単純に作業をおこなうだけであれば機械化、自動化、AI化など、代替手段が存在するようになりました。
結果として、高卒が担うことが多かった単純に作業を行う仕事というものは少しずつ姿を消していっています。
以前はこのような単純作業の仕事でも繰り返すことで熟練の腕として認められるようになったのですが、それも必要なくなりつつあります。
5.高卒が大卒に逆転するには
それでは高卒が大卒に収入面で勝つことは難しいのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
高卒でも働き方次第では今よりも収入をアップさせることは可能です。
・副業を考える
働き方改革で副業への考え方は以前と比較しても大きく変わってきました。
国も『モデル就業規則』を改定し、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定を削除。副業・兼業について規定を新設しています。
かつてより、副業は行いやすい環境になっています。
またスキルマッチングサイト(クラウドワークスやココナラなど)も多く増えており、仕事も探しやすい環境になってきました。
まずは、少しずつでも収入を増やしたいという人にはおすすめです。
・キャリアアップを考える
ただ言われた仕事を粛々とこなすだけでは給料を上げることは難しいです。
そのため、現在の職種で働き続けることを考えるのであれば、自身のキャリアパスをどのように描いていくのかを考えていきましょう。
一個上の役職にあがるにはどうすればいいのか?
実績としてどのようなものがあれば上の人間に認められるのか?
実際に昇進した人は何を行っていたのか?
などに注目をして、具体的に何を頑張っていけばいいのか明確化するだけで、キャリアアップのためのモチベーションは大きく変わります。
・より稼ぎやすい職種に転職する
今の仕事で給料を上げることが難しいようであれば、より稼ぎやすい職種に転職をすることを検討しましょう。
たとえば営業職はインセンティブが付く会社もあり、自分の頑張りが明確に給与にフィードバックされやすいです。
IT業界は常時人手不足の状況が続いているため、スキル次第では高収入を狙えます。
こちらの記事では稼ぎやすい職業などに関してより具体的に解説しておりますので、ぜひご一読ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。高卒の初任給に関して解説しました。
高卒の初任給は大卒と比較してそこまで大きな違いはありません。
しかし、長いスパンで給与を見ていくとその差は歴然としていきます。
高卒で給与に伸び悩んでいることを気に病んでいるようであれば、まずは一度誰かに相談してみるのも一つの手です。
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