2022.04.25 最終更新
空(カラ)求人って何ですか?|騙されずに求人を見極める方法4選
1.空(カラ)求人って何ですか。
空(カラ)求人は
「採用する気があるわけではないのに、求人広告を出して応募を受け付けているように見せている求人」
のことを指します。
場合によってはおとり求人(参考URL:おとり求人のwikipedia)と呼ばれることもあり、本来は職業安定法によって禁止されている行為の一つです。
応募する側としては、空(カラ)求人にあたってしまうと、貴重な時間を持っていかれるだけでなくモチベーションもそがれてしまいがちです。
では、なぜ企業は法律を違反してまで、空(カラ)求人を出すのでしょうか。
2.企業はなぜ空(カラ)求人を出すのか。
企業が空(カラ)求人を出す理由はいくつか存在します。
・いつか優秀な人材が来るかもしれないという期待
海老で鯛を釣るということわざがあるように少ない元手で大きな利益を得たいと考えは誰しもが持ちがちです。
求人においてもそれは同様で、条件がたとえ合わなかったとしても百に一つで優秀な人材が来るかもしれないと考える採用担当者は少なくありません。
そのため、無料や安価な求人広告で出せるだけ広告を出してしまい、もし思い描いていた優秀な人材が引っかかることがあればラッキーでそれ以外は容赦なく不採用とする企業が存在します。
この場合完全な空(カラ)求人を行っていないわけではないので法律的に取り締まることも難しいことが多いです。
・おとりの求人で人を釣る
不動産屋の前を通るとよく窓や壁に好条件の立地と安い家賃の物件の広告が張り出されているのを見かけることはありませんか。
しかし、実際にその物件に関して話を聞いてみようとするとたいていの場合すでに募集を終了している物件だったりすることがあります。
で、代わりに別の物件を紹介されて、あれよあれよという間に営業トークにという流れになります。
求人広告も同様に良い条件の求人を釣り餌として、おとりの求人を作成するケースが多々あります。
求人広告の内容を見て問い合わせを行い、実際に面接まで行ったらすでにその求人は募集を終了しており、別の条件の求人が案内されるパターンです。
具体的には
「事務職で募集しているのを見て申し込んだら、すでに事務職は募集を終了していて希望していない営業職を案内された」
「正社員として申し込みをしたのに、条件をみたら実際には契約社員だった」
「完全週休二日と広告には出ていたのに、話を聞いたら週休二日で、完全週休二日ではなかった」
などがあげられます。
これらは完全におとり求人であり、法律的には完全にアウトな広告手法なのですが、実際に取り締まられたことはほとんどありません。
・募集はすでに終了しているのに放置している
募集がすでに終了しているのに、求人自体はそのまま出し続けているケースもあります。
担当者のミスであることが多いのですが、逆に言うとそのミスに気づけないほど仕事がいそがしかったり、チェックがままならない職場である可能性も高いです。
また、もしかしたら運よく人材が入ってくるかもしれないという思惑でそのままにしている場合も。
そのため、空(カラ)求人をよく見かける場所と、見極め方を覚えておくことで空(カラ)求人にあたる率を減らすことを心がけるようにしましょう。
3.空(カラ)求人がよく掲載されている場所
・ハローワーク
ハローワークは公的機関が運営しているため、信頼できると思われがちですが、実は空(カラ)求人も多かったりします。
理由としてはハローワークの求人はすべて無料で出すことが可能なため、とりあえず載せるだけ載せてしまおうと安直に考える経営者や採用担当者が多いためです。
実際ハローワークの掲載において厳格な審査などはなく、出そうと思えば小さな会社でも掲載することが可能です。
ただし、面接などを受けたうえで採用担当者が明らかに採用の意志がなかったと感じるに確証があればハローワークの担当者にその旨を伝えれば、以降掲載のNGなどにつなげられる可能性があります。
もし、理不尽な目にあったばあいなどはハローワークの担当者に一度相談してみることをお勧めします。
・派遣会社系のホームページ
派遣会社系はまずは手元に人材を確保しておきたいと考える会社も少なくありません。
おとり求人に近い内容を自社のホームページ上に掲載したうえで、該当の案件を希望した場合でも他の求人案件を紹介するケースも多々存在します。
ただし、すべての派遣会社がそういうわけではないので、問い合わせしたうえで担当者が案内する案件から判断するのも一つの手です。
・クローリング系の求人広告
求人広告を掲載しているWEBサイトは多く存在します。
そのなかでもクローリング系とよばれる求人広告を中心に掲載しているWEBサイトは空(カラ)求人が発生しやすいと言われています。
具体的にはIndeedやGoogle しごと検索などが該当します。
クローリング系の求人広告WEBサイトはクローラーとよばれるプログラムが様々なWEBサイトから求人情報を集めて、それを自動で掲載する仕組みになっています。
そのため、すでに募集が終了している求人が掲載されているケースや、人の目による審査などが行われているわけではないのであきらかに条件がおかしい求人が紛れ込んでいることもあります。
最近は精度も上がってきているため、以前ほど空(カラ)求人が減ってきているという話もあります。
4.空(カラ)求人を見極める方法
・募集期間が長すぎる
数か月前にあがった求人が現在も上がっているケース。
更新もほとんどされておらず、内容も変わっていないと空(カラ)求人の可能性が高いです。
場合によっては会社が倒産などで既に存在しないのに求人が出しっぱなしになっていることも。
・給与の幅が広すぎる
年間給与が300万~1000万のような形で幅広く提示されている場合があります。
実績や、スキルを考慮して、優秀な人は1000万近くもらえるのかと思いきや、実際に応募してみれば1000万ももらえる人は皆無。
ほぼすべての人が300万円スタート。
1000万はあくまで給与を大きく見せて、求人を増やすための掲示額だったなんてことがあります。
・募集人数が多すぎる
明らかに企業の規模にあってないレベルで大量採用をうたっているときは、空(カラ)求人の可能性が高いです。
とりあえず、応募人数を増やすことを最優先として課せられている採用担当者がいる企業にありがちです。
もちろん、新規事業の立ち上げなどが伴う場合は大量採用が必要な場合があります。
企業の最新の状況などを調査して、見極めるとよいでしょう。
・募集内容に明らかに違うことを言われる
未経験OKと書いてあるのに、実際に面接まで行くと経験者のみの募集だったり。
学歴不問と書いているのに、高卒は対象外と言われたり。
明らかに募集内容と違うことを面接などで突きつけられた場合、空(カラ)求人として求人を出していた可能性が高いです。
事前に見極めることは難しいと思いがちですが、この場合は会社のホームページや他に出している求人広告と内容が統一されていないことが多いです。
いくつか同じ会社の他の求人情報を検索して、自身の確認した求人内容と比較してみるなどを行ってみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
空(カラ)求人は求職者の貴重な時間を無駄にするだけでなく、モチベーションも奪う行為ですが、なかなか取り締まることができないのが現状です。
もし、万が一空(カラ)求人と思われる求人広告を出している企業に遭遇することがあれば、労基署などにその旨を相談してみましょう。
場合によってはハローワークへの掲載を今後NGにしてくれるなどの対応をしてくれます。
また、空(カラ)求人にあたってもあまり落ち込みすぎずに、すぐに次のステップへ進めるよう気持ちを切り替えていきましょう。