2022.05.24 最終更新
フリーターの割合からわかること|学歴別・年齢別に解説します
1.フリーターの定義とは?
日本全国にフリーターはどれくらい存在するのでしょうか。
そのためにまずフリーターの定義を確認しないといけません。
内閣府の調査(若年無業者,フリーター,ひきこもり|平成27年版子供・若者白書(全体版) – 内閣府)では
15~34歳で、男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者のうち、
・1.雇用者のうち勤め先における呼称が「パート」か「アルバイト」である者
・2.完全失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者
・3.非労働力人口で家事も通学もしていない「その他」の者のうち、就業内定しておらず、希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」の者
とフリーターを定義づけています。
しかし、昨今のフリーターは現実的にこの定義づけよりも広い意味でとられることが多いようです。
そのため、今回はe-statとよばれる国の集計サイトより「令和元年国民生活基礎調査」の「非正規の職員・従業員_アルバイト」の数字をベースに解説を行っていきます。
2.全国のフリーターの総数とは
前述のとおり国が調査している「令和元年国民生活基礎調査」の内容のうちフリーターという集計項目はありません。
そのため「非正規の職員・従業員_アルバイト」を一番近い数字として解説していきます。
まず、全国のフリーターの総数は下記のようになります。
15歳以上の総数 | 非正規のアルバイト | 総数の割合 |
108,356,000人 | 3481,000人 | 3.2% |
日本には348万人程度アルバイトが存在して、全体の割合としては日本人口の約3%程度がアルバイトとして働いている形となります。
意外と多いなと思う人もいれば、思ったより少ないぞと思う人もいるでしょう。
そのため、ここからはさらに条件を絞り込んで割合などを確認していきます。
3.年齢別のフリーター人口は?
おそらく読者の皆さんが一番気になるのが、年齢別のフリーター総数だと思われます。
同じく「令和元年国民生活基礎調査」内での年齢別のフリーターの総数は下記のようになっています。
年齢 | 非正規のフリーター人口 |
15~19歳 | 577,000人 |
20~24歳 | 813,000人 |
25~29歳 | 227,000人 |
30~34歳 | 176,000人 |
35~39歳 | 167,000人 |
40~44歳 | 181,000人 |
45~49歳 | 183,000人 |
50~54歳 | 174,000人 |
55~59歳 | 138,000人 |
60歳以上 | 844,000人 |
20~24歳が一番フリーター人口が多く、そこを境目に急激にフリーター人口が減少していくのがわかります。
グラフで見るとよりわかりやすくなります。
フリーターの人口が20~24歳と25~29歳の間で大きく落ち込んでいるのがわかります。
これはこの年齢を境目にアルバイトから別の雇用形態にシフトするケースが多いからとも考えられます。
大して60代以降でまたアルバイトの人数が増えているのは退職後に、アルバイトとして雇用されることが多いことが原因の一つとして挙げられます。
また少子高齢化時代で高齢者の人口が多い逆ピラミッド構造になっているのも理由の一つです。
それを確認するために次に年齢ごとの人口に対するフリーターの割合を確認してみましょう。
年齢 | 非正規のフリーター割合 |
15~19歳 | 10% |
20~24歳 | 17% |
25~29歳 | 5% |
30~34歳 | 3% |
35~39歳 | 2% |
40~44歳 | 2% |
45~49歳 | 2% |
50~54歳 | 2% |
55~59歳 | 2% |
60歳以上 | 1% |
15から24歳にかけてはフリーターの人口もさることながら、人口におけるフリーターの割合も多くを占めていることがわかります。
たいして、60代以上はフリーター人口が増えるのは事実ではあものの割合としては少数であることがわかります。
3.性別ごとのフリーター人口は?
では次に、性別ごとのフリーター人口を確認していきましょう。
男性 | 女性 |
1,711,000人 | 1,770,000人 |
女性のほうがやや多いですが、そこまで極端に差があるわけではありません。
しかしこちらも年齢ごとに見ていくと違った側面が見えてきます。
男性は60歳を越えたタイミングで大きくアルバイト人口が増えますが、それまでは女性のほうが多いのです。
そのため、働き盛りの年代において男性のフリーター比率は総数よりも相当に少ないことがわかります。
4.時代別のフリーター人口は?
時代別のフリーターの人口は現在どのようになっているのでしょうか、増えているのでしょうか、減っているのでしょうか。
こちらは労働力調査から2006年以降のアルバイト雇用の人口の年代別の平均値を出してグラフにしたものです。
2006年からアルバイト人口は緩やかに上昇を続けていました。
ただ、新型コロナウイルスの影響で2020~2021年にかけて減少しているのがわかります。
同様に2011年から2012年にかけての減少も東日本大震災の影響によるものと言われています。
このことからフリーターはたしかに数が増えている傾向はあるものの、社会情勢に大きく影響されやすい雇用形態であるともいえるでしょう。
まとめ
フリーターの割合を解説いたしました。いかがだったでしょうか。
自分以外にもフリーターがどれくらいいるのか、逆にこの年齢からフリーターの人口は急激に減るのかなどがわかっていただけたと思います。
この記事が今後フリーターを脱出したい、もうすこしフリーターを続けたいなどを考える際の一つの指標になれば幸いです。