2022.05.18 最終更新
フリーターが起業をするのはおすすめできない理由5選。人生大逆転なんて甘い話には要注意。
1.フリーターから起業って可能ですか?
結論から最初に述べるとフリーターからいきなり起業して社長になることは可能です。
実は起業すること自体のハードルは年々低くなってきています。
まず、2006年に新会社法が制定され、かつては資本金が1000万円必要だったのが、資金1円からでも会社が設立できるようになっています。
参考URL;新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました。
これをきっかけに日本でもスタートアップベンチャー企業が多く生まれました。
また、国の補助金や融資制度も以前より創業に柔軟に対応してくれるようになりました。
特にフリーターにとって魅力的なのは日本政策金融公庫の新創業融資制度です。
参考URL:新創業融資制度|日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は財務省管下の特殊会社で、この新創業融資制度は無担保、無保証人で始めることが可能です。
そのため、多少の自己資金が必要とはいえ銀行からの融資などよりもはるかにハードルが低いといえます。
そんなこともあり、起業はいまフリーターだけでなく誰でもできるようになりました。
しかし、それでもフリーターからの起業はオススメできるとはいえません。
その理由を順番に解説していきます。
2.フリーターに起業をオススメできない理由5選
・起業できても会社を続けられない
起業はあくまでスタートラインです。企業は売り上げを立たせ続けなければ継続ができません。
企業の生存率に関しては諸説あります。資料や集計方法によって数字もさまざまです。
こちらは2011年に発行された中小企業白書からの抜粋ですが、10年で約3割の企業が市場から姿を消している計算になっています。
新型コロナウイルスの影響で、さらに生存率は悪化している可能性もあります。
楽そうだから、指示されたくないから、楽したいからなど、そんな理由で起業を目指した場合、この生存競争に生き残るのは難しいと言わざるおえません。
・コネクションを持っていない
せっかく起業をしたとしてもお客さんが入らなければ、売り上げを立てることができません。
起業して早々に成功する人はそもそも起業前から顧客を抱えているケースが多いです。
前職から信頼を積み上げていた人がそのまま顧客になるケースや、上げてきた成果を信用して早くから依頼をしてくれる人など様々です。
重要なのはそういうつながりをしっかり保ってきた人ほど成功に結びつけやすいという点です。
フリーター出身の場合、そこまでのコネクションを持ち合わせているケースは少ないようです。
そのため営業をかけて新規顧客を開拓していく必要がありますが、新規開拓の営業経験のあるフリーターもあまり多くはないので顧客が見つけられないまま事業をクローズすることも。
普段からコネクションをしっかりと構築できるタイプの人間でないと起業は難しいです。
・すべて自分の責任になることに耐えられない
フリーターを続けてきた人に責任のある立場で仕事をした人は多くないかもしれません。
場合によってはただ言われるがままに仕事してきたというタイプの人も。
起業した場合、事業におこりうる問題の全責任が代表者にふりかかります。
そのとき、いかに対処するかは責任のある立場を経験したかどうかがカギを握ることも多いです。
経験がなかった場合、降りかかる重圧に耐えきれなくなることも。
起業は気軽にできるかもしれませんが、会社が大きくなればなるほど責任や負担は重くなっていくのです。
・社会理念を持ち合わせていない
企業を存続していくにあたって社内外で重要視されるのが社会理念を持ち合わせているかどうかです。
企業がさまざまな課題を解決することを理念として持ち上げるのは明確な目標があることで、社内外の人が協力してその課題に立ち向かう意思統一がしやすいからです。
楽したいから、お金を儲けたいからという理由では自分はよかったとしても、周囲はついてくることが難しいです。
社会をよりよくしたいなどの気持ちがなければ企業を存続させ続けることはできないでしょう。
・逃げの観点で起業を考えている
◆起業を考えている理由(フリーター編)
フリーターという立場は不安定で嫌だ。
派遣社員はマージン取られそうで微妙。
正社員でも人の指示には従いたくない。
こんな風に考えた結果が起業するという選択肢であるのならば非常に危険といわざるおえません。
なぜなら、それはあらゆることから逃げてきた結果のように周囲からは見られるためです。
◆起業を考えている理由(起業家編)
起業しないと解決できないことがある、そのために起業した
フリーランスでそれなりに稼げるようになってきたので法人化したい。
より自分を磨き上げて上のステップへ行きたい
というような人も起業したときの競争相手となります。あなたならどちらの人を信用するでしょうか?
3.フリーターで起業を成功するには
・他人の言うことを素直に受け入れる
フリーターから起業を目指した場合、様々な人が助言やアドバイスをしてきます。
起業するのにおすすめの業種を紹介してくれる人がいれば、無謀だと諭してくれる人も。
もちろんそんな助言なんていらない、なにくそと反発する気持ちも重要です。
ただ、大きく成長する人はそれらを受け入れたうえで自分の糧にします。
自分にとって必要なかった情報でもこちらを助言して心配してしてくれていることにもしっかりと注視する。
大きな心で相対できるのが経営者として重要な心得です。
・正社員経験はあったほうがいい
正社員経験はないよりもあったほうがいいのは事実です。
特におすすめなのが人数がそんなに多くない中小規模での企業での正社員就職です。
人数が少ないところに、正社員で入社できれば経営陣と接する機会は非常に多くなります。
実際の会社を経営する人の大変さや苦労を目の当たりにするのは、独立して起業することを考えるときには最高の経験となりえます。
・フリーランスからステップアップ
かつてより格段に独立起業が簡単になったとはいえ、やはりいきなり一人で会社を運営するのは厳しい側面もあります。
そんな人はまず自分ひとりでお金を稼ぐことができるのかをフリーランスとして働くことで試してみることをおすすめします。
昨今フリーランス界隈は大きく盛り上がりを見せており、クラウドワークスやココナラなどのスキルマッチングサービスも盛りだくさん。
フリーランスとして独立したのちある程度収入が安定してから起業を行う人もいます。
・起業に必要な知識を勉強する
起業には様々な知識が必要です。
会計などの簿記の知識、税などの国に払うお金の問題。
部下を雇うならばマネジメントも詳しいほうがいいでしょう、マーケティング知識もあれば商品やサービスを売り込みやすくなるかもしれません。
最初のうちは社長自ら商品を売り込まないといけない場面も多いです、営業の知識や経験も確実に役に立つでしょう。
お金をだして外部にお願いすることもできますが、必要な書類は基本的に自分で処理しないといけないので事務処理能力も必要といえます。
上記のような形で必要な知識たくさんあります。
そのなか、自分に必要なタイミングで適宜学んでいかなければいけません。
勉強が嫌だではどうしようもない世界がそこにはあります。
まとめ
フリーターから起業をすることは可能です。
ただネガティブな理由で起業を検討するのであればオススメすることはできません。
たとえ起業に成功したとしても、やりたいことがあるなどのモチベーションがなければ、続けることが難しい世界です。
人生が大逆転するなんて甘い話には要注意です。
本当に自分が起業がしたいのかという問いと誠実に向かいあい、正しい選択ができるように心がけましょう。