2022.06.23 最終更新
フリーターで年金未納だとどうなるの?いまからでも支払いってできる?|具体的な対策を解説します。
・年金未納が続くと老齢年金がもらえなくなり、最悪差し押さえが発生する
・猶予制度や免除制度を駆使すれば年金をあとから追納できる
・将来を見据えてフリーターでも年金以外の貯蓄を考えたほうがいい
1.フリーターが年金未納だとどうなるの?
フリーターで少ない収入だと日々の年金の支払いも大変です。
そのため、つい支払いが遅れてしまったり、滞納してしまうフリーターも実際に存在します。
フリーターに限りませんが、令和四年3月に国が発表した年金の納付率は77.3%で22.7%もの人が年金が未納状態のままになっています。
参考URL:令和4年3月末現在 国民年金保険料の月次納付率
では、年金が未納状態のままだとどのようなトラブルが発生するのでしょうか。
・老齢年金がもらえなくなる
働けなくなった年齢になったときでも定期的な収入が入る状態を目指すことが年金制度の目的の一つです。
いわゆる老齢年金と呼ばれるもので、現在65歳から年金がもらえるようになっています。
しかし、長期の未納が続いた場合、65歳以降にもらえる年金がなくなってしまう場合があります。
また短期の未納でも、支給額が下がってしまうことも。
・障害年金がもらえなくなる
障害年金は事故や健康上の理由で心身に障害が発生したときに、払われる年金です。
こちらも老齢年金と同様に未納期間がある場合、支給してもらえない場合があります。
切羽詰まっている状況で、このようなことになると目も当てられません。
・財産が差し押さえられる
年金期間があまりに長い場合、財産が差し押さえられる場合があります。
差し押さえは下記の流れで行われます
◆年金未納による財産差し押さえの一般的な流れ
①電話や書面での催告
↓
②特別催促
(青色→黃色→赤色の封筒の順で届きます
↓
③最終催告状
↓
④督促状
↓
⑤差し押さえ
差し押さえは年間収入が300万以上を対象に行われることになっていますが、今後これらの基準は変わる可能性が十分あります。
気をつけるようにしましょう。
2.収入が少なくて年金が支払えないときの対策
・免除・猶予制度を利用する
収入が少なかったり、失業などの理由で年金の納付を一時的に猶予&免除してもらうことが可能です。
◎国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構
◆保険料免除制度とは
所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は、ご本人から申請書を提出いただき、申請後に承認されると保険料の納付が免除になります。
免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。
◆保険料納付猶予制度とは
20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合には、ご本人から申請書を提出いただき、申請後に承認されると保険料の納付が猶予されます。
これを納付猶予制度といいます。
※平成28年6月までは30歳未満、平成28年7月以降は50歳未満が納付猶予制度の対象となります。
ただし気をつけなければいけないのは、免除も納付制度も将来的にもらえる年金額が減ってしまう可能性が高いことです。
そのため、利用する際は十分制度を理解した上で申請するようにしましょう。
・後から納付する
免除や猶予制度を利用した場合でも、後から納付することで将来もらえる年金額が減ってしまうことを回避することができます。
保険料の免除・納付猶予や学生納付特例の承認を受けた期間がある場合は、保険料を全額納付した場合と比べて年金額が低額となります。
申請は年金事務所で申請が可能です。
3.年金を納めるのがめんどくさいとおもったら
フリーターにありがちなのが、仕事が忙しく年金の納付をつい忘れてしまうことです。
納付のために銀行に行くのがめんどくさくなる場合もあります。
ここでは年金を手っ取り早く楽に納める方法を解説します。
・まとめて払い
基本的に月単位で支払うことが多い年金ですが、実は6ヶ月、1年、2年の単位でまとめて支払うことが可能です。
まとめて払いなので、その期間分、都度銀行に行って納付手続きする必要がなくなります。
もちろん、まとめて支払うので2年であれば2年分の年金を納付する必要があるのですが、まとめて支払った場合には早期納付として若干の割引が発生します。
少しでも安く支払いたいことを感がせる際にもまとめて払いはおすすめです。
・口座引落&クレジットカード引き落とし
口座やクレジットカードによる引き落としも可能です。
その場合、月末に自動引落という形になります。
つい、納付を忘れがちになってしまうような人は、いちど年金事務所で引きと落としの手続きを行うことを検討してみましょう。
・厚生年金に加入する
フリーターは国民年金に加入しているケースがほとんどですが、実は「労働時間及び労働日数が正社員の4分の3以上を満たしている」と厚生年金に加入することが可能です。
厚生年金になると基本的に年金の支払いは給与からの天引きとなります。
そのため、都度自分で支払の手続きをする必要性がなくなります。
つい忘れたり面倒くさくなってしまう人はぜひ検討してみましょう。
条件を満たせば厚生年金に加入するのはほぼ確定ですが、企業によっては柔軟に対応してくれるケースもあります。
一度、担当者に相談してみるのもおすすめです。
また、正社員になってしまえば、自動的に厚生年金に加入できます。
4.フリーターにもできる年金以外の老後対策の検討
年金を未納してしまった以上、たとえ追納できても老後もらえる年金が少なくなってしまう可能性は否定できません。
しかし、ある程度の収入があるのであれば、年金以外の老後対策も検討しておきましょう。
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
・積立NISA
など、老後むけの積立投資などが現在は人気です。
特に昨今は老後に2000万の貯金が必要であるなどの報道がなされたように、個々人で将来に向けての積み立て投資などが必要とされています。
年金をしっかりと収めている人たちでさえ、年金では足りないと年金以外の将来の貯蓄をかんがえています。
年金未納で年金額が少なくなることが予想されているのであれば、ぜひ対策をしておきましょう。
まとめ
年金未納の際の影響や対策に関して解説いたしましたが、いかがだったでしょうか。
年金未納が続くと、将来の生活に大きな影響が出てしまいます。
一時的な未納だったとしても少しでもお金に余裕が出てきたタイミングで追納などの対策を考えておくようにしましょう。